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16歳ウーデゴールを筆頭に若者買い。
レアルが恐れる「補強禁止」の行方。 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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posted2015/05/05 10:40

16歳ウーデゴールを筆頭に若者買い。レアルが恐れる「補強禁止」の行方。<Number Web> photograph by Getty Images

16歳にして欧州中で争奪戦が展開されたマルティン・ウーデゴール。ノルウェーが生んだ天才が白い巨人のユニフォームをまとってピッチに立つ日はいつになるのだろうか。

レアルとアトレティコに、補強禁止ペナルティ?

 また予算の面でも、レアルは昨年夏ハメス、クロース、ケイロル・ナバスの獲得におよそ1億1500万ユーロ(約150億円)を費やしているのだから、余裕はないはず。

 なのに4人のために計5100万ユーロ(約67億円)という大金を使ったのだ。

 レアルはもちろん理由を明確にしていない。しかし誰もが納得してしまう説は以前から囁かれており、ちょうどウーデゴールの初招集発表の数時間後、それに関するニュースが人気ラジオ番組で報じられた。

 レアルとアトレティコに近々補強禁止のペナルティを科すことをFIFAがスペインサッカー協会に通達した――。

「買えるうちに買っておけ」という駆け込み補強。

 期間は'15年夏から16年1月までだから昨年のバルサのケース同様「連続する2度の登録期」、つまるところ1シーズンだ。

 FIFAは昨年のかなり早い時期に両クラブのカンテラを調べ始め、11月の時点で18歳未満の国際移籍に関するルール違反があることを確認していたという。

 その後12月には選手提供でレアルと提携している小クラブ(マドリード自治州内だけで21クラブ)をリストアップし、それらとレアルの法的・経済的関係についての情報や、18歳に満たない外国籍選手の登録状況および、過去5年の移籍記録と移籍時の金銭の動きに関する記録を提出するようスペインサッカー協会に求めていたことが明らかになっている。

 こうした調査を受ける中でレアルは最悪の事態を早くに想定し、買えるうちに買っておくことを決めたのだろう。トーレスとカニをローンで獲得しただけのアトレティコとは対照的な周到さだ。

 ただし、バルサのときの可能・不可能事項をそのまま当てはめると、レアルの青田買い作戦には穴がある。

【次ページ】 契約は終わっていても、実際に使える選手は……。

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