SCORE CARDBACK NUMBER

「運」をゴールに変えた川又堅碁の覚悟と準備。
~ハリル采配に応えた代表初得点~ 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/04/27 10:00

「運」をゴールに変えた川又堅碁の覚悟と準備。~ハリル采配に応えた代表初得点~<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

昨季、W杯明けに新潟から名古屋に移籍した川又は、フィジカルを活かしたプレーが特長。

 ラッキーボーイは、現れた。

 バックアップメンバーだった川又堅碁はチームにケガ人が出たことで追加招集されるとハリルジャパンの初陣となったチュニジア戦で先発に抜擢され、続くウズベキスタン戦でも6番目の交代でピッチに入って代表初ゴールを奪った。

 そもそも「バックアップ」に名を連ねたこと自体がラッキーと言うほかない。メンバー発表前日のヤマザキナビスコカップ川崎フロンターレ戦で今季初先発して2ゴールを挙げ、その会場にハリルホジッチ監督が視察に来ていたのだから。

 だがゴールはラッキーでは生まれない。

 代表の“末席”で入ってきた立場。結果を残さなければ、生き残れないことは分かっていた。チュニジア戦では体を張ったプレーで目を引きながらも、ヘディングシュートをバーに当てた。彼は交代してからも、ベンチから食い入るように試合を眺めていた。自分に何が足りなかったかを、必死に探そうとしていた。

「代表はうまい選手が多いから、感じたものがいっぱいあった。(後半)途中から入ってきた本田選手や香川選手たちは間に入ってボールを受けていて、俺もあの人たちがやったように間に入って受けることも意識していたら、両ワイドを活かせる状況をもっとつくれたんじゃないかって。(前半は)自分が受ける回数を増やしていって、後半は高い位置をキープしながらボールが入った瞬間に落として、自分が裏を狙っていく感じなのかなと思った」

 彼は彼なりに己のやるべき役割と状況判断を整理しようとしていた。

「気持ちの強いヤツのところにボールはこぼれて来る」

 結果とは、チームの得点につながるプレー。連係を高めていくことがひいては自分のゴールにも結びついてくる。攻撃にいかに絡むかに、考えを巡らせていた。

 ウズベキスタン戦では10分ほどのプレー時間で3本のシュートを放っている。気持ちが折れた相手の状況はあったにせよ、攻撃に絡んだ何よりの証拠でもある。

 終了間際、右CKからのボールを森重が折り返したところに、川又が頭で押し込んだ。「気持ちの強いヤツのところにボールはこぼれて来る」という彼の信条を象徴するようなゴールシーンだった。

 運も実力のうち。いや、覚悟と準備があったからこそ、川又は目の前にある「運」を掴むことができたのである。

関連コラム

関連キーワード
川又堅碁
ヴァイッド・ハリルホジッチ

ページトップ