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8強進出した男子セブンズ、五輪に向け強化加速を。
~ワールドシリーズ接戦で得た感触~ 

text by

大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byShinji Akagi

posted2015/04/25 10:30

今後は9月開幕のW杯まで15人制に専念する藤田慶和(21)。早大では最終学年を迎える。

今後は9月開幕のW杯まで15人制に専念する藤田慶和(21)。早大では最終学年を迎える。

 意外とやれるじゃないか。そう思ったファンもいたのではないか。4月4~5日の2日間、秩父宮ラグビー場で開催された男子セブンズワールドシリーズ(WS)東京大会で、日本代表はアルゼンチン、サモア、フランスと争ったプール戦を1勝1敗1分で通過し、15年ぶりに8強進出を果たしたのだ。

 WS全大会に出場できるコアチームに昇格を果たした今季、ここまでの6大会はシリーズポイントわずか「7」の15カ国中最下位。来季は降格の危機に瀕していただけに、ホームで見せてくれた頼もしい姿にファンは胸をなで下ろした。

 大会2日目はセブンズ王国フィジーに完敗し、スコットランドにも惜敗したが、今季最多のポイント「10」を獲得。14位ポルトガルとの差は大会前の「15」から「8」まで縮んだ。

「今回は、フィジー戦以外すべての試合を接戦に持ち込めた。これまでは結果が出なかったけれど、WSを戦う中で、このレベルの激しさ、スピードに慣れてきた。だからこそ来季もここに残らないと」

 瀬川智広ヘッドコーチは唇を結んだ。WSは残り2大会。5月9~10日のグラスゴー大会と16~17日のロンドン大会だ。ともに8強に進み、東京と同じペースで差を詰めれば逆転残留も不可能ではない。

五輪でのメダルを目指すが、現状の環境は厳しい。

 男女の7人制ラグビーは'16年リオ五輪から正式種目となる。7分ハーフという短い時間、広い攻撃スペース、そして転がる先の読めない楕円球。東京大会ではシリーズランク14位のポルトガルが4位のオーストラリアを破り、13位のカナダが3位のニュージーランドを破り、さらに2位のフィジーを後半ロスタイムまでリードして「セブンズでは何でも起こり得る」という格言を改めて実証した。「五輪でメダルを目指す」という瀬川HCの抱負も、不可能とは言い切れない。

 だが、セブンズ日本代表の置かれた環境は厳しい。トップリーグ期間中に行われた合宿では、参加者僅か6人という時もあった。2月にはWSのある週末にトップリーグ入替戦が組まれ、遠征からチームに呼び戻された選手もいた。

 東京での8強入りは確かに日本の可能性を示したが、日本ラグビー界の総力を結集できないのでは、五輪メダルどころか出場権すら怪しくなる。五輪予選開催は11月の予定。迷っている時間はない。

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