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帰ってきたA・ロッドは、正念場の続くシーズンに。
~出場停止明けも、今季で40歳~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2015/04/17 10:00

帰ってきたA・ロッドは、正念場の続くシーズンに。~出場停止明けも、今季で40歳~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

禁止薬物使用はあったが、開幕戦の1安打でメジャー通算2940安打と記録を伸ばした。

 ステロイド(筋肉増強剤)などの禁止薬物を使用したとして、昨シーズンの全162試合で出場停止処分を受けたヤンキースのアレックス・ロドリゲスが、再びグラウンドに戻ってきた。オープン戦序盤は、主に「指名打者」として出場していたが、3月29日にはファーストミットを手に、メジャー21年目で初めて一塁手として出場した。4月2日も不慣れなポジションながらショートバウンドの捕球や併殺など、無難に打球を処理し、試合後はホッとした表情を浮かべた。

「これまでの20年間とは、まったく違う視界で、とても興味深いものだった。自分で何とか対応できると思う」

 キャンプイン前の時点で、ロドリゲスに対する風当たりは、極めて厳しいものだった。1年間以上にも及ぶブランクがある上に、今年7月で40歳。レバイン社長が「結果を残してもらう」と言えば、キャッシュマンGMも「どういう体調でやってくるか、それ次第だ」と、いずれも懐疑的なトーンだった。手厳しい論調でバッシングを続けてきた地元ニューヨークのメディアも、キャンプイン初日から一挙手一投足を追いかけた。

米国は「セカンドチャンス」を与える社会だが……。

 ただ、ロドリゲスにとっては、それらの環境も重圧も、覚悟の上だった。オフ期間には、ジラルディ監督と頻繁に連絡を取り合いながらトレーニングを続けた。キャンプ前には、自らの過ちを認め、ファンや同僚に謝罪した。類い希な才能に加え、元々、豊富な練習量はメジャーでも屈指で、実戦開始後は徐々に調子を上げた。その結果、オープン戦では、打率2割6分7厘、3本塁打、4打点。キャッシュマンGMから「フルタイムの指名打者」と合格点をもらい、再びレギュラーの座をつかみ取った。

「野球ができることがハッピー。だから、ただチームの勝利のために手助けをしたい。12カ月前と比べれば、どれだけ幸せを感じていることか」

 もっとも、シーズンを通して一定以上の成績を残さない限り、周囲は満足しない。米国の文化に「みそぎが済む」の概念があるかどうかは、分からない。ただ、基本的に失敗には寛容で「セカンドチャンス」を与える社会。契約満了となる2017年までプレーできるか、否か。ロドリゲスにとって、選手生命をかけた1年になることは間違いない。

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