SCORE CARDBACK NUMBER

24歳でUFC王座に挑戦。堀口恭司の強さの原点とは。
~異端の空手スタイルは通用するか~ 

text by

布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

PROFILE

photograph bySusumu Nagao

posted2015/04/15 10:10

24歳でUFC王座に挑戦。堀口恭司の強さの原点とは。~異端の空手スタイルは通用するか~<Number Web> photograph by Susumu Nagao

昨年9月のUFC、堀口はジョン・デロス・レイエスにわずか1RでTKO勝ちを収めた。

 ずっとこの日を待っていた。4月25日(現地時間)、カナダで開催の「UFC186」で、堀口恭司がデメトリアス・ジョンソンが保持するUFC世界フライ級王座に挑戦する。堀口は山本“KID”徳郁が仕切るKRAZY BEE所属の24歳。5歳から伝統派空手に打ち込み、MMAに転向した現在も空手をベースとする異色のファイターだ。

 ボクサー同様、MMAファイターはオーソドックスかサウスポーに分類されるのが普通。しかしながら堀口にその概念はない。試合ともなればスイッチを繰り返し、相手に的を絞らせない。

 MMAでは一番多い中間距離で闘おうともしない。距離をとりながら、大きな円を描くように動くことが多い。そしてチャンスと見るや、伝統派の空手家が見せるようなステップで瞬時に間合いをつめて攻撃を加える。

 UFCにはリョート・マチダという伝統派空手出身の元世界王者もいるが、待ちが主でステップを多用しないマチダの闘い方は堀口のそれとは明らかに異なる。堀口はベースとなる空手をひじょうに重要視しており、現在も週2回は栃木県の空手道場「一期倶楽部」で師・二瓶弘宇氏の指導を受け続ける。

絶対王者のジョンソンに対して、規格外の方法を。

 現在のMMAは打撃もレスリング(組み)も寝技も全部できたうえで、さらに突出した武器を持ち合わせるスタイルが主流。仮にレスリング出身だとしても、MMA転向後に純粋なレスリングに打ち込む選手がいるという話は聞いたことがない。やるのはMMAで役立つレスリング流の組みやタックルだけだ。

 そうした流れに背を向けるかのように堀口は空手の存在を忘れず、常に復習しようと努めている。ベースがしっかりしていなければ、新しい技術など導入しても使えないという発想なのだ。そのやり方は堀口に合っているのだろう。2013年10月にUFCに初参戦して以来、4連勝をマークして今回のチャンスを掴んだ。

 もっとも、王者のジョンソンは'12年に王者になって以来6連勝中。この階級の絶対王者となりつつある。バンタム級時代にはKIDに勝った経験もあるだけに、堀口にとってはMMAの師の敵討ちという意味合いもある。規格外の方法でMMAに取り組む堀口が世界王座を奪取すれば、日本人選手として初の快挙だ。

関連コラム

ページトップ