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“靱帯のプロ”妙義龍が語る遠藤の強さと復活への秘訣。
~膝の手術か保存療法か~ 

text by

佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2015/04/11 10:30

“靱帯のプロ”妙義龍が語る遠藤の強さと復活への秘訣。~膝の手術か保存療法か~<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

遠藤は松鳳山を突き落としで破った際に左膝を痛めてしまい、車椅子で医務室に向かった。

 自身も2度、膝の前十字靱帯断裂を経験した小結妙義龍が感嘆する。

「車椅子で下がっていく遠藤を見て、『強いなぁ……』と思いましたよ。あの痛みはすごいものがあるのに、少しも顔に出していなかったですから」

 3月場所5日目、4連勝と好調ななか「左膝前十字靱帯断裂・半月板損傷」の大けがを負い、休場を余儀なくされた遠藤。その動向が注目されるなか、追手風親方が報道陣に現状を説明した。「半月板の処置(手術)をする可能性は高いが、靱帯の手術はしない方針」だという。

 大学3年時に右脚の前十字靱帯断裂の経験がある遠藤だが、手術はせずに「保存療法」としてリハビリと筋トレでこれを克服。以来、現在までの右脚の状態が良好なことを再確認し、「これならば左脚も手術せずに済む」との判断だという。関節のクッション役をはたす半月板も幸いなことに致命的な損傷ではなく、これまた経過をみて判断するという。

「膝の靭帯をたとえて言うと、“靴のひも”と一緒」

 コンタクトスポーツである相撲では、序ノ口から幕内の力士まで、靱帯のケガを負う力士は数知れず。症状によって必ずしも手術が必要ではないとされるが、完全断裂の場合は、靱帯再建手術を選択することが多い。これは、のちの再断裂率が低くなるメリットがあるという。一方、完治はしないものの、時とともに特に支障はなくなるため、保存療法を選択する例もある。「靱帯のことを語らせたら、たぶん僕の右に出る者はいないはずですよ(笑)」と自負する妙義龍がいう。

「僕も大学時代に右膝の靱帯を断裂し、この時は手術はしなかった。たとえて言うと、“靴のひも”と一緒で、いつしか緩んできてしまうものなんですね。またいつ切れるかわからないし、常に爆弾を抱えているようなものなんですよ」

 2010年1月、晴れの新十両の場所で左膝前十字靱帯を断裂した妙義龍は、再建手術に踏み切った。

「3場所休場し、三段目まで番付を下げました。しっくり来るまで時間は掛かる。でも、その後は一気に関脇まで駆け上がれましたから。手術をしてもしなくても、やはり靱帯をカバーするためには筋力を鍛えることが大事。一番は、絶対に復活するんだという強い意志です」

 ポーカーフェイスで花道を下がった遠藤は、きっと劇的な復活を果たすはずだ。

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