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進化を続ける白井健三。“ひねり王子”の新境地。
~超高難度の構成でほぼノーミス~ 

text by

矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2015/04/07 10:10

進化を続ける白井健三。“ひねり王子”の新境地。~超高難度の構成でほぼノーミス~<Number Web> photograph by AFLO

「構成はいじらずに技の精度を上げていきたい」と語る白井。日体大で更なる飛躍を狙う。

 体操ニッポンの白井健三が、3月19日から22日までドイツで開かれた種目別競技会のコトブス国際で、ゆかと跳馬の2種目を制した。

 圧巻だったのはやはり、ゆかだ。自らの名のついた「シライ/ニュエン(後方伸身宙返り4回ひねり)=F難度」や、「シライ2(前方伸身宙返り3回ひねり)=F難度」という従来から使っているひねり系の技に加え、昨年11月のスイス杯から披露し始めた縦回転系の「リ・ジョンソン(後方抱え込み2回宙返り3回ひねり)=G難度」を組み込んだ演技構成で勝負。演技の難度を示すD得点が7.6という超高難度の構成をほぼノーミスでこなし、出来映えを示すE得点でも8.850という数字をマークした。

 得点は自己最高の16.450。コトブス国際は種目別のみの大会であり出場選手も限られてはいるが、白井自身が金メダルを獲得した'13年世界選手権の16.000や、昨年の優勝者、デニス・アブリャジン(ロシア)の15.750のスコアを大きく上回ったことに価値がある。

「全6種目で良い結果を残すとともに、ゆかと跳馬で……」

 白井自身は「宙返りの高さがまだ低いし、ひねり不足もある」と満足はしていないが、優勝したゆかと跳馬のほか、15.225で6位だった平行棒も含め、出場した全3種目で自己ベストをマークしたことで、「良い試合ができた」と手応えを口にした。

 神奈川・岸根高2年だった1年半前、驚異的なひねりのセンスを武器に世界チャンピオンになったが、高い能力があるゆえに背骨や腰に負担がかかり、一時は思うような練習をできずに苦しんだ。昨年6月には右足首を捻挫し、ゆかと跳馬の練習を約2カ月間控えた。その影響からひねりのキレが奪われ、ラインオーバーも頻発。

「世界選手権の団体(銀)、種目別ゆか(銀)、インターハイ個人総合(2位)など、狙った順位より1つ下が多かった」と、不完全燃焼が続いたことに歯噛みしていたが、高校生活最後の試合となった今回、2種目優勝で有終の美を飾った。

 4月から日体大1年生になる。

「全6種目で良い結果を残すとともに、ゆかと跳馬でもっと存在感を示せる選手になっていきたい」

 苦しみを乗り越えてより成長した白井が、金メダル奪回へ狼煙を上げた。

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