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新コミッショナーの初仕事、時短ルールは改革か、制約か。
~影響を受けるのは投手より打者?~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2015/04/03 10:00

3アウトの瞬間から、各スタジアムに設置されたデジタル時計がカウントダウンを始める。

3アウトの瞬間から、各スタジアムに設置されたデジタル時計がカウントダウンを始める。

  今季から導入される試合時間短縮のための新ルールが、春季キャンプのオープン戦で実施されている。各球場には2分25秒に設定されたデジタル時計が新設され、攻撃チームが3アウトになった瞬間、動き始めるようになった。今回の新ルールは、ここ数年、指摘されてきた試合時間の拡大に対処するためで、新コミッショナーのロブ・マンフレッド氏が、「最初の仕事」として手がけた事項だった。

「選手達は、前向きだと思う。この問題についてファンに対する責任があるということを、しっかりと認識しているはずだ」

 新ルールでは、攻守交代の時間を、テレビ中継のCM時間に応じてローカル放送時で2分25秒、全国ネット時で2分45秒に設定した。打者は投球間に打席を完全に外してはならず、昨季から導入されたインスタント・リプレー(ビデオ判定)の抗議もダッグアウト内から行うなど、極力ムダな時間を省くように定められた。

 3月12日のブレーブス戦で初先発したヤンキース田中将大は、まったく違和感を覚えなかったという。元来、小走りでマウンドへ向かい、快テンポで投げるタイプでもあり、登板前から「大丈夫でしょう」と話していた。

「1イニング目は、全然気にしてなかった。マウンドを降りる時、タイマーに気付いて、そういえばあったなという感じ。普通にやれば間に合うと思います」

内角球を避けようとしたイチローも無意識で打席を……。

 その一方で、打者には戸惑う選手も多い。最初の数試合は、ほとんどの選手がこれまでのルーティン通り、打席を外し、手袋を締め直すと、素振りを数回繰り返すなど、新ルールへの意識は浸透していなかった。オープン戦中盤にさしかかった頃から、あまりに頻繁な打者に対し、主審が打席に戻るように指示する光景も見られるようになったが、長年の習慣になっている一連の動作は、そう簡単には変えられない。

 イチローにしても、内角球を避けようとした際、無意識で打席を外した。

「クセになっている人は抜けないかもね。リズムになっちゃっているから。ここ(内角高め)に来たらちょっと外しちゃうもんね。それはしょうがないよね」

 5月からは最高500ドルの罰金も科せられる新ルール。支払いが嵩む選手も少なくないはずだ。

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