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福西崇史が語るトラッキングシステム。
“とにかく走る”チームが強いのか? 

text by

福西崇史

福西崇史Takashi Fukunishi

PROFILE

photograph bySports Graphic Number

posted2015/03/30 16:45

福西崇史が語るトラッキングシステム。“とにかく走る”チームが強いのか?<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

「福西崇史の『考えるサッカー』」、配信は毎週月曜日の予定です。

サッカーにとって走ることより大事なこととは?

福西:やっぱりサッカーっていうのは「90分間で相手よりもゴール数で上回って、勝利する」ってのが一番大事なんだから、トラッキングシステムは一つの目安だと思ってもらいたいな。個人で見た時もチームに貢献できているかどうか、というのを走行距離やスプリント回数で見るのはアリだよ。でも“走るだけ”で評価されたとすると、サッカーが別の競技になってしまうから。

――そうですね。

福西:ちょっと極端な言い方だけど「ピッチにいるみんなが15km走ろう!」ってことになったら、サッカーの本来の面白さから離れてしまう。

――福西さんがよく言う「イメージの共有」、後は個人の力などに運動量が組み合わせられてこそ、サッカーですからね。

福西:ストライカーはシュートを決めるところが一番求められるわけだし。センターバックだって常に全力疾走してたからといって、無失点に直結するわけではないから。そこは数字には表れない“読み”や“技術”のところが必要になってくる。

――福西さんの言った通り、同じDFでもセンターバックとサイドバックでは求められる運動量の質が変わってくるわけです。

FWが走らないで済むようになるのも大事。

福西:でしょ。ちなみに選手個人で見ていたら、(前田)遼一がかなり上位にいて驚いたんだよなあ。

――ホントだ。横浜FM戦では前田が12.74km、2トップで相棒を務めた武藤も12.78kmと、FWとしては相当“走っている”印象です。

福西:FWで13km近く走るって、逆にすごいって!

――(笑)。

福西:でも今月の1本目でFC東京の話をしたけど、まだ遼一と武藤とか、それぞれの動きが効果的ではないんだよね。それが数字として表れているとも言える。これから、いい意味で2人が“走らないで済む”ようになれば、もっともっと機能してくる可能性はあるからさ。

――湘南のように「走る」チームが高い数値を叩き出すのとは別に、「走りすぎている」かも、というのを分析することも大切になるでしょうね。

福西:そういうこと。数字ではなく、まずはサッカーの試合を見ましょう! ってことで。

――絶妙なまとめ方、ありがとうございます(笑)。

ほかにも昇格組の湘南と松本、さらにはサッカー選手の花粉症についても 大いに語っている福西氏。
この続きは、メルマガNumber「福西崇史の『考えるサッカー』」で ぜひお読みください。
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