SCORE CARDBACK NUMBER

開幕戦勝利に満足せず。川崎・風間監督の着目点。
~華麗な攻撃の中にある“ミス”~ 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/03/21 10:35

開幕戦勝利に満足せず。川崎・風間監督の着目点。~華麗な攻撃の中にある“ミス”~<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

昨年、27歳で代表デビューを果たした小林悠。昨季リーグ戦12得点を上回る結果を残したい。

 2ステージ&ポストシーズン制となった2015年シーズンのJ1が開幕した。開幕節9カードの合計得点は30ゴール。18チーム制になった’05年以降、3番目に多い数字である。

 最多3ゴールを挙げた5チームのなかで、特に強く印象に残ったのが就任4年目の風間八宏監督率いる川崎フロンターレだ。昨季、最少失点の横浜F・マリノスを相手に、いずれもペナルティーエリア内の崩しから鮮やかにゴールを奪っている。

 ゴールまでのイメージを共有して、落ち着いて実行できる。中村憲剛の縦パスを大久保嘉人が受けて始まった2点目の崩しは、小林悠がニアに入ろうとしながらバックステップを踏んでフリーとなり、新加入エウシーニョのクロスをきちんと止めてから右足で流し込んでいる。

 狭いエリアだろうがパスを通す、フリーになる、正確に止める、確実に決める。3年かけて積み上げてきている個々の技術と組織的攻撃力の高さが凝縮されていた。

風間監督が定義づける“ミス”とは何なのか?

 だが、風間監督は「開幕戦にしては良かっただけ」と満足度は低い。ゴールよりも、ゴールに結びつけられなかった“ミス”のほうに目を向けていた。

「自分たちが言っているミスは、相手に触られていない状態でパスミスしたり、相手が(プレスに)来てもパスコースがいくつもあるのに、失敗してしまうこと。その1本のミスがなかったとしたら、何本もつながって相手をどれだけ振り回すことができるか。ラストのところもそう。ペナルティーエリアに入ってからのクロスがいくつか合っていなかった。

 ミスというものは、まったく消せるものでもない。けれども、キャンプ中から『ミスをなくそう』と言ってきた。まだまだ消せるし、改良できると思っている」

 Jリーグが今季導入したトラッキングシステムのデータによれば、開幕節で最も総走行距離の長かったチームは対戦相手の横浜だったそうだ。これは川崎のパスワークによって余計に走らされたという側面もあるはず。よく走るに越したことはないが、走りの量が勝利に直結しているわけではないことを表してもいる。

 相手を振り回し、翻弄していく川崎の攻撃サッカー。悲願のJ1初制覇は、「1本のミス」を減らしていくことに懸かっている。

関連コラム

関連キーワード
川崎フロンターレ
横浜F・マリノス
中村憲剛
風間八宏

ページトップ