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<再び世界の頂点を目指して> “未来のサッカー日本代表”を強くするために、今やるべきことを考える。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/03/19 11:00

<再び世界の頂点を目指して> “未来のサッカー日本代表”を強くするために、今やるべきことを考える。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

森島寛晃

「“基本”と“反復”が育成の大切な原点」

 僕が2008年に現役引退して以降、セレッソ大阪は香川真司、乾貴士、清武弘嗣ら若い力で活気づいて、ユース出身の柿谷曜一朗や山口蛍、南野拓実らが次々と中心になってきた。セレッソや海外、そして日本代表で活躍していることが、育成年代の子供たちに凄くいい影響を与えてきているように思う。

 セレッソの育成組織は昨年、U-12が全日本少年サッカー大会を、U-18が高円宮杯チャンピオンシップを制した。

 これは何よりも毎年、育成年代が海外遠征できるようになったことが大きい。個人協賛会である「ハナサカクラブ」を通じて、多くの方々から遠征費用などの面でバックアップを受けていて、そのおかげで子供たちが世界を肌で直に感じ取れている。指導者も同じ。世界基準を掲げ、一貫指導に活かすことができている。

 育成そのものを考える場合、あらためて基本の大切さを感じている。自分を振り返ってみて“子供のときにもっとこうしておけば良かったな”と思うのはシュート。南アフリカW杯の得点王でもあるウチのディエゴ(フォルラン)に「どんな練習しとったの?」と聞いたら、ゴールの隅にコーンを置いたり、上のバーにゼッケンをかけたりして、そこにボールをちょっと動かして当てる練習を反復してやっていた、と。なるほど、毎日延々と繰り返してあの決定力を身につけたのだろう。代表でもカズさん(三浦知良)が常にシュート練習をやっていたことを思い出す。基本と反復は、大切な原点だ。

「モリシアカデミー」で小学生を相手に教えても、昔とは比べものにならないほど格段にうまい。ただ、岡野(雅行)のようなスピードとか、一芸に秀でた「必殺技」を持つタイプも出てきてほしい。

 いずれは代表や海外のクラブで活躍する選手を育てるというのがクラブの育成方針。そしていずれまたセレッソに戻ってプレーしてほしいというのが僕の希望だ。新しい才能がこのセレッソからまた次々に出てくるものと信じている。

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