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内田篤人「結局、レアルが上へ行く」
健闘ムードの陰で“差”を見つめて。 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2015/03/12 11:15

内田篤人「結局、レアルが上へ行く」健闘ムードの陰で“差”を見つめて。<Number Web> photograph by AFLO

CL敗退はしたものの充実感を表明したチームメイトとは異なり、内田篤人は結果に現れたレアルとの「差」を見つめていた。内田が求めているのは、いつだって結果なのだ。

 '92-'93シーズンに現在のチャンピオンズリーグ(CL)が始まってから、ホームで行なわれたファーストレグを2点差で落としたチームが次のラウンドへ進出したことは一度もない。

 そもそも、ホームでのファーストレグを落としたチームで次のラウンドへ駒を進めたチーム自体、長い歴史の中でたったの2チームしかない。'95-'96シーズンのアヤックスと、長友佑都も出場した'10-'11シーズンのインテル・ミラノだけだ。ちなみに、彼らはいずれもファーストレグを0-1という最少スコアの差で落としている。

 つまり、相手が現役王者のレアル・マドリーではなかったとしても、ホームで行なわれたファーストレグを0-2で落としたシャルケが、セカンドレグで奇跡を起こすことは、“統計上”はあり得なかった。

 しかし、この試合ではそのものすごいことが起きそうだった。

「リスクを避けるのではなく、攻撃的に試合に入っていったんだ」

 シャルケのヘーガーはそのように語っている。

絶対の信頼があるからこそ、休養も受け入れられる。

 前週の土曜日に行なわれたリーグ戦で、内田篤人は右足の怪我の影響でスタメンを外れていたが、フクスが前半の早い時間帯に警告を受けたために急きょ出場を強いられた。その翌日、指揮官に呼ばれてこんな話をしたという。

「『コンディションはどうだ?』みたいな。『100(%)ではない』って言ったんだけど。その中でオレは『シーズンはあと2カ月だからなんとかする』って言ったけど、監督は『まだ2カ月もあるから……ちょっと使わない時もある』という感じだった。

『2カ月は長いんだ』って言っていた。でも、オレは納得しているからね。監督の意見だけをパッと言うんじゃなくて、オレの意見も聞いてくれたから」

 そしてレアルとの試合では、後半36分からピッチに立った。試合の大半をピッチの外から見ていた内田は、レアルについてこう感じていた。

「(シャルケの狙いは)はまっていたと思う。逆にむこうの守備は、はまっていなかった。シュートを打っているときはだいたいフリーみたいなね。特に、うちのボランチがパッと前を向けていたから。あそこ(ボランチへのプレッシャー)なんて、ドイツ(のチーム)の方が来るくらいだったから」

【次ページ】 シャルケの希望を容赦なく砕いたロナウド。

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