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無敗の弥生賞馬サトノクラウンの衝撃。
クラシックで起きる「西高東低」逆転。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/03/09 11:30
鞍上の福永祐一も「修正すべき点も何も見当たらない」と手放しで称賛するサトノクラウン。8kg増で弥生賞を完勝しており、今後の上積みも期待できる。
クラシック戦線、牡牝ともに今年は関東馬優勢。
逃げたジャストフォーユーが最下位に沈み、後方待機策をとったブライトエンブレムやグァンチャーレが上位に来たように、先行馬に厳しく、後ろの馬に有利な流れになった。そんななか、先行勢の直後で立ち回り、後ろを突き放したサトノクラウンは相当強い。
「タラレバ」の話をすると、流れ次第で2着以下の結果は大きく変わっただろうが、何回やっても1着だけは変わらなかったのではないか。前走の東京スポーツ杯2歳ステークスではゲート内で3度も立ち上がっていたが、発馬が修正されて欠点がなくなった。混戦模様の牡馬クラシック戦線において、現時点では、この馬が頭ひとつかふたつ抜け出したと見ていいだろう。
牝馬クラシック戦線は、きさらぎ賞で牡馬勢を一蹴し、戦績を3戦3勝としたルージュバック(父マンハッタンカフェ、美浦・大竹正博厩舎)、4戦3勝で2歳女王となったショウナンアデラ(父ディープインパクト、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)、弥生賞の前日に行われたチューリップ賞を勝ったココロノアイ(父ステイゴールド、美浦・尾関知人厩舎)が主役候補か。
これら3頭も、弥生賞の1、2着も、すべて関東馬である。
無敗のクラシックホース誕生なるか。'80年代後半からつづく「西高東低」を再逆転させるべく、関東勢の意地が爆発するクラシックとなるのか。
クラシック開幕が、より楽しみになった。