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最後の2ステージ覇者を覚えてる?
横浜・中澤佑二が語る、特殊な準備。 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

PROFILE

photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/03/06 11:55

最後の2ステージ覇者を覚えてる?横浜・中澤佑二が語る、特殊な準備。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

横浜F・マリノスで14年目のシーズンを迎える中澤佑二。今季も、最後尾に彼がいる、という信頼感は横浜の堅守にとって極めて重要なファクターとなりそうだ。

「(当時は)どのチームもファーストを重視していた」

「どうなるかはやってみないと分からないですけど、やっぱりファーストステージでスタートダッシュをするというのが大事になってくるんじゃないですかね。(当時は)どのチームもファーストを結構重視してきたというか、もちろんセカンドステージも勝つに越したことはないけど、(ファーストを勝っておけば)チームとしていろんなことにもトライできるし、余裕も出てくると思うので。

 1シーズン制でもそうですけど、後半戦に入って巻き返してくるチームって結構多いじゃないですか。ACLに出ているチームとか、もともと地力を持っていて歯車が噛み合うとグッと上がってくるという感じで。

 ウチは監督が代わって、新しいやり方をみんなが理解して形にするまで、ある程度時間もかかると思うんです。それでもし歯車が狂ったままファーストを終わって(セカンドに)合わせようとしても、今度は巻き返してくるチームが出てくる。だから戦い方が新しくなる分、ファーストから飛ばしていかないといけないかな、と」

 難しいことをそれでも口にするのは、中澤が自身の経験からその重要さを学んだからだろう。

2003年、2004年に学んだ2ステージゆえの戦い方。

 岡田武史監督が就任した'03年、マリノスはファーストステージの開幕戦で前年王者のジュビロ磐田を4-2で叩き、スタートダッシュに成功。「新しいやり方」で結果を残していくことで理解度も加速し、チームに新たな勢いも生まれた。結局、セカンドステージも制して、両ステージ制覇を果たしたのだ。

 翌'04年はファーストステージは制したものの、セカンドステージはケガ人も多く出て勝ち点が伸び悩んだ。そこで岡田監督は途中からチャンピオンシップに照準を定めて早めに準備を始め、それが最後に活きた。ファーストステージの戦いが重要という中澤の言葉には説得力がある。

 現在のマリノスは、大黒柱の中村俊輔が左足首の手術で大きく出遅れ、2月28日には1トップ候補のラフィーニャも全治4週間のケガに見舞われたため、新助っ人のFWアデミウソンを緊急補強したばかり。スタートダッシュには暗雲が立ち込めている。

 開幕戦の相手は悲願の初優勝を狙う川崎フロンターレだ。

 2年連続得点王の大久保嘉人を筆頭にレナト、小林悠、杉本健勇、中村憲剛と自慢の攻撃力で、横浜のゴールに襲いかかってくる。

 対する横浜、中澤を中心とした自慢の守備がいかに立ちはだかるか。

 37歳の中澤佑二が、2ステージ制復活のJリーグで主役を狙う。

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