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ジャンプ伊藤有希、悲願の初メダル。
元・天才小学生を変えた2つの転機。 

text by

松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAFLO

posted2015/03/01 10:35

ジャンプ伊藤有希、悲願の初メダル。元・天才小学生を変えた2つの転機。<Number Web> photograph by AFLO

世界選手権で自身初の銀メダルを手にした伊藤有希(左)。1994年生まれの20歳、ジャンプをはじめたのは4歳の時だという。

「悔しいです」でも「自信になりました」。

 2月22日には、男女各2名で行なわれるミックス団体でも銅メダルを獲得。2つのメダルを手にした伊藤は、24日に帰国すると、「悔しいです」「自信になりました」と相反する気持ちを示した。

「悔しかった」のは、金メダルまでわずか1.8ポイントという僅差だったこと。

「自信となった」のは、ピークを合わせることができたこと。

 悔しさも自信も、そのいずれもが、今後への糧になる。

 ふと、昨年の言葉を思い出す。

「成績が出ないときは辛かったです。でも、またいつか戻りたいっていう気持ちが強かったので続けてくることができたのかなって思います」

 環境の変化、大舞台での悔しさ、復調そして進化のためのきっかけはあった。そのきっかけをものにしたのは、粘り強く、あきらめずに取り組んできた伊藤の姿勢があるからにほかならない。

 また、今シーズンは海外の選手たちのレベルも一層上がっていることが見て取れる。そんな中、伊藤の銀メダルは、日本の女子ジャンプの今後にも大きな意味を持つものであった。

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