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真の“ミスター・サンダー”、コリソンの篤実さ。
~デュラントを支えるNBAの名脇役~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2015/02/19 10:00

1チームでプレーし続けているドラフト同期の選手は、ヒートのドウェイン・ウェイドのみ。

1チームでプレーし続けているドラフト同期の選手は、ヒートのドウェイン・ウェイドのみ。

“ミスター・サンダー”と聞いて、オクラホマシティ・サンダーのどの選手を思い浮かべるだろうか。おそらく大半の人がケビン・デュラントを、それ以外の人はラッセル・ウェストブルックの名前をあげるのではないだろうか。しかし、当のデュラントに言わせると、その称号はベテランの脇役、ニック・コリソンにこそふさわしいのだという。

 2月3日、サンダーとコリソンが2年750万ドルの契約延長に合意すると、デュラントはツイッターで「ミスター・サンダー、おめでとう。あなたと共にプレーできて誇りに思います」と祝福した。

 コリソンは、8年近く前、デュラントがチームに入った時からいる唯一の選手だ。サンダーの前身のソニックス時代に5年、オクラホマシティに移転し、サンダーとなって7年、今季で12シーズン目。NBA全体でも、新人の時から10年以上ひとつのチームで過ごしているのはわずか9人しかいない。そのうちの一人だ。

「ノースタッツ・オールスター」と評される男の存在価値。

 味方へのスクリーンや、ボックスアウトなど数字に出ない地味な仕事を進んで引き受け、「ノースタッツ・オールスター」と評されたりもした。若手選手たちが育つにつれ出場時間も減り、今季は自己最低の平均15.8分、成績も平均3.6点、3.4リバウンド(2月10日時点)と、相変わらず目立たない。それでも、チームの中での彼の存在価値は測り切れない。

「ニックは、オクラホマシティの人たちが高く評価するような選手だ」と、サム・プレスティGMは言う。勝っておごらず、負けて腐らず。常に準備し、自分の役割には決して文句を言わず、勝つために必要なことは何でもやる。それはまた、サンダーが求める価値観でもある。

 開幕から主力に故障が続いて出遅れた今季のサンダーは、シーズン半ばを過ぎ、オールスター・ウィークエンドを迎えてもプレイオフ圏外だ。優勝にはほど遠く、補強のためのトレードの噂も絶えない。

 そんな中での契約延長だけに、どれだけ必要とされているかがわかる。

 コリソンは言う。

「僕自身の取り組み方やコート上でのプレーが、チームが選手に期待していることや、組織としてなろうとしている姿と一致しているのだと思いたい。自分の価値を認めてもらえていると感じる。ここで続けたかった大きな理由だ」

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