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ホンダ参戦の今シーズン、4メーカーの戦略を読む。
~PU2年目のF1、競争のポイントは~ 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byAFLO

posted2015/02/17 10:00

昨季ドライバーズ選手権を圧倒的な強さで制したハミルトン(左)は新車W06で連覇を狙う。

昨季ドライバーズ選手権を圧倒的な強さで制したハミルトン(左)は新車W06で連覇を狙う。

 今季はレース数が'12年と同じく最多20戦となり、パワーユニット(PU)供給メーカーもホンダ参戦で4社に増えた。一方、エントリーは9チームに減少する公算が大きい(1月29日時点)。実績あるコンストラクターばかりで「少数精鋭化」が進み、グリッドに並ぶニューマシンは減っても、レースそのものの“スポーツ性”は高まると思われる。

 '14年に導入された1600cc直噴V6ターボ+エネルギー回生システムのPUも2年目。いち早く開発に着手してきたメルセデスが昨季19戦16勝で席巻したのはご存じのとおりだ。完敗したルノー、フェラーリ陣営はオフに許された“部分開発”に没頭。いくつかのコンポーネンツを一新してきた(FIAはPUの約48%まで段階的変更を承認)。

“ユーザーチーム”なしで臨むホンダに必要な手腕とは。

 受けてたつ王者メルセデスは、自社チームのほかウイリアムズ、フォースインディア、ロータスの4チーム体制。ルノーはレッドブルとトロロッソの2チームに絞り、技術面で関係を強化した。フェラーリは新首脳陣がザウバーとの連携を推進する。つまり既存3社は「4・2・2」チームで臨むが、ホンダはマクラーレンにPUを独占供給。集中開発できるメリットがあるものの、“ユーザーチーム”がないのは、やや気になる。3社は彼らに実験的なモノを実戦テストさせることも可能だが、初陣マクラーレン・ホンダはそうはいかない。2月の4日間×3回だけの合同テストでPU熟成をめざし、駄目だしを徹底すること、またFIAとの公認手続きや今後の「部分開発交渉」など政治面でも手腕が求められよう。

 ドライバー・ラインアップがこれほど変動した年も珍しい。チャンピオン経験者アロンソがマクラーレンへ、ベッテルがフェラーリへ、どちらも「王者新コンビ」を組む。新鋭起用に転じたレッドブルはクビアトを昇格させ、トロロッソは注目17歳ルーキーのフェルスタッペンをデビューさせる。動いた大物と抜擢された若者の新構図となるが、特筆すべきはメルセデス勢4チームが王者ハミルトンを筆頭に不変のコンビで“継続性”を重視したことだ。さらに、PU2年目の今季は、シャシーの「空力戦争(ノーズ)」が再びクローズアップされ、タイムレベルが昨年より大幅に向上するに違いない。最速を極めてこそF1である――。

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