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日本を飛び出すスポンサー企業たち。
男子ゴルフに必要な“内から外”。

posted2015/02/12 10:30

 
日本を飛び出すスポンサー企業たち。男子ゴルフに必要な“内から外”。<Number Web> photograph by AFLO

2014年には2度目のマスターズ制覇も果たしたバッバ・ワトソン。日本にこのレベルのスターたちが来日する機会が増えれば、観客動員数も確実に向上するのだが……。

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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 2014-15年の米ツアーは、ウエストコーストスイング(西海岸シリーズ)の真っ最中。新年早々タイガー・ウッズの苦悩ぶりが際立っているが、本格的なシーズンインはロリー・マキロイら欧州勢が加わる2月のフロリダスイングということになるだろう。

 一昨年に年間スケジュールが変更され、シーズンは年をまたぐ形になった。それでも多くの一流選手たちはいまだ、秋から年明けにかけての時期はアジアやオセアニアなど各地域の大会に招待され、ファンを魅了する姿がよく見られる。

 思えば昨秋は日本男子ツアーにも、豪華なタレントたちがスポット参戦して花を添えてくれた。主催者の主導によりジョーダン・スピース、ブラント・スネデカーといった米ツアーを戦う面々が来日したのだ。

 中でも日本オープンのアダム・スコット、三井住友VISA太平洋マスターズのバッバ・ワトソンの2人は大きな存在感を発揮した。彼らの招待に大きく貢献したのが個別に契約を結ぶ日本企業で、スポンサー側の動きも際立っていた。

スコットはユニクロ、ワトソンはエアウィーヴ。

 スコットの日本オープン出場をアシストしたのは、ウェア契約を結ぶユニクロである。ユニクロは錦織圭、ノバク・ジョコビッチらプロテニス界でのサポート実績を引っ提げ、ゴルフ界に新規参入した。契約直後の2013年マスターズで、スコットはいきなりメジャー初制覇。顔見せとしてはこれ以上ないタイミングだった。

 一方、ワトソンの来日に寄与したのは機能性マットレスを製造販売するエアウィーヴ社。フィギュアスケートの浅田真央やサッカーの柿谷曜一朗、女子ゴルフの宮里美香、ポーラ・クリーマーと同じく、昨年春にワトソンとも契約を成立させた。マスターズを2度制覇したレフティの、圧巻の飛距離と技を日本のギャラリーが目の前で観戦できたのには、そんな経緯があったのだ。

 ホールディングカンパニーのトップ、高岡本州社長は「アスリートはもちろんアイコンとしての意味も大きい。ただ彼らのファンに対する姿勢は、僕らのお客様へのサービス姿勢にとっても学ぶ部分は多い」と、スター選手とのパートナーシップによる目に見えない対価を強調する。

【次ページ】 ワトソンのシャツにエアウィーヴのマークが無い理由。

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