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ヤクルトの“二刀流”雄平が歴史に挑む。
~通算19勝左腕がスラッガーに~ 

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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photograph bySankei Shimbun

posted2015/02/12 10:00

ヤクルトの“二刀流”雄平が歴史に挑む。~通算19勝左腕がスラッガーに~<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

打者転向以降、当時二軍打撃コーチだった真中監督と二人三脚の練習で基礎を作り上げた。

 ピッチャーとして見ていた風景は、今も彼の脳裏に焼きついている。

「神宮のマウンドに立つと、バックネットのお客さんがすごく近くに感じるんです。ブルペンでは声も聞こえましたよ。『ダルビッシュの先輩だ』って(笑)」

 高校時代、ダルビッシュ有の前に東北のエースナンバーを背負っていた高井雄平は、ピッチャーとして最速で151kmを記録。バッターとしても高校通算36本のホームランを放ち、投打ともに高い評価を受けていた。つまりは二刀流予備軍だったのだが、まだそんな発想もない時代、プロではピッチャーに専念する。しかしながら7年間で18勝19敗と伸び悩み、6年前、彼は野手転向を決断した。

「自分のキャラは……野手になってちょっと変わったと思います。ピッチャーのときの細かさが、少し減ったかな」

 30歳になった去年、雄平は初めてレギュラーとして1シーズンを過ごした。開幕戦で2番、その後は5番として、またウラディミール・バレンティンが故障で離脱した7月には4番に座るなど、スワローズ打線の中で存在感を放ち続ける。そしてフルシーズンを戦い抜いた結果、雄平は打率.316、23本塁打、90打点と、堂々たる数字を叩き出した。

3番バレンティン、4番雄平なら打点を稼げるチャンス。

 そんな雄平を今年は4番で起用したいと真中満監督は公言している。出塁率の高いバレンティンを3番に据え、打点の多い雄平を4番に置く。昨シーズン、7月に4度あったこの3、4番コンビ。雄平はその4試合すべてでヒットを放ち、.412という高打率を残している。

「夏場にキツく感じる時期がありましたけど、ウチの奥さんに『体が疲れている分、消化のことを考えて夜の炭水化物を減らしたら』と言われて実践すると、ぐっすり眠れるようになったんです。まぁ、どんぶり山盛りのメシを、どんぶりメシに変えたくらいですけどね(笑)」

 大谷翔平が日本で史上初の“同一シーズン10勝、10本塁打”を達成した去年、雄平は史上4人目となる“通算10勝、シーズン20本塁打”を59年ぶりに成し遂げた。通算で2ケタの勝ち星を挙げた元ピッチャーが、たとえば打率とホームランの二冠を獲得すれば、これまた史上初の快挙となる。雄平は、大谷とは違う形での“二刀流の轍”を球界に残すべく、今シーズンもいくつかの快挙に挑む。

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