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ホークス快進撃を導いた、“スパーズ流”の指導者。
~名参謀ブーデンホルザーの挑戦~ 

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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photograph byGetty Images

posted2015/02/05 10:00

ホークス快進撃を導いた、“スパーズ流”の指導者。~名参謀ブーデンホルザーの挑戦~<Number Web> photograph by Getty Images

破竹の勢いのチームを統率するブーデンホルザーは、今シーズンからGMも兼任している。

“スパーズ東支部”と呼ばれるチームがある。アトランタ・ホークスだ。チームを率いるのは、サンアントニオ・スパーズで長年アシスタント・コーチを務めていたマイク・ブーデンホルザー。名前を聞いてわからなくても、グレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチの隣にいたキューピー顔の人と言えば、思い出す人もいるのではないだろうか。

 昨季からホークスのヘッドコーチに就任し、元スパーズのダニー・フェリーGM(現在は人種差別発言で停職中)と共にスパーズ流を取り入れたチーム作りを進めてきた。2年目の今季はチーム全体に考え方が浸透してきたことがコート上からうかがえる。基本に忠実で、1人のスターに頼らずにチームで戦うスタイルは確かにスパーズに通じるところがあり、対戦相手からも「まるでスパーズ」との声が聞こえてくる。成績も37勝8敗で東の首位、フランチャイズ最長記録の16連勝中(1月27日現在)と、スパーズ基準だ。

 以前、ポポビッチのどんなところを継承したいかと聞かれたブーデンホルザーは「妥協することない競争心」と「選手に対する心からの愛情」の2つをあげた。

ポポビッチとの長い師弟関係から得た成功体験を。

 実は、彼もかつてポポビッチの“選手”だった。27年近く前、ポポビッチが大学のヘッドコーチだったときに、当時高校の選手だったブーデンホルザーを勧誘したのが2人の関係の始まりだったのだ。

 もっともこの時、ポポビッチは勧誘だけして、自分はスパーズのアシスタント・コーチになるために大学を去ってしまったのだが、そこで縁が切れなかったのが、人との繋がりを大切にするポポビッチらしい。大学卒業後、デンマークのプロリーグで1年経験して帰国したブーデンホルザーを、NBAの世界に迎え入れたのだ。無給のビデオ編集から始まり、その後有給のビデオコーディネイター、さらにアシスタント・コーチとして、合計19年もの間、ポポビッチの右腕として、4回の優勝を支えた。

 ポポビッチの“競争心”が向かう先は、目の前の試合の勝敗ではなく優勝だ。そう考えると、ホークスにとっても、ブーデンホルザーにとっても正念場はここから。いかに今の成功をプレイオフに繋げ、そしてその成功を何年も繰り返すことができるか。それができてこそ、真の“スパーズ流”と言えるのだろう。

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