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フェライニ「まあ、親善試合だから」
強化試合を巡る強豪国の本音と目的。 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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posted2015/02/09 10:30

フェライニ「まあ、親善試合だから」 強化試合を巡る強豪国の本音と目的。<Number Web> photograph by AFLO

フェライニは2013年9月にエバートンからマンチェスター・ユナイテッドに移籍したが、故障もあったせいで先発12試合に留まっていた。今季はレギュラーとして活躍。

不遇の昨季から、明暗分かれた香川とフェライニ。

 今、2人の明暗は分かれてしまっている。フェライニはファンハール新監督の下で闘争心溢れる働きぶりでレギュラーの座を勝ち取ったが、香川は復帰したドルトムントで不調に陥ってポジションを失ってしまった。

 なぜフェライニは復活できたのか? 万能MFはこう説明した。

「自分が今、マンチェスター・ユナイテッドで試合に出られているのは、監督が求めるポジションで全力を出しているからだ。自分が最も好むのは守備的MFだが、監督が求めたらFWでも攻撃的MFでも構わない」

 香川にとっても必要なのは、良かったときのイメージに囚われすぎないことかもしれない。

親善試合は“事前の目的”と“何を得られるか”。

 話を本題に戻そう。

 本田が主張するように、日本はロシアW杯に向けて、アウェーで強豪と戦う機会を全力で増やして行くべきだ。本田の言葉を借りれば、「新たなスタンダードを作るべき」である。

 ただ、仮に実現できたとしても、フェライニの「あくまで親善試合」という言葉も忘れてはならないだろう。強豪側にとっては、あくまで肩ならし。親善試合の結果に一喜一憂したり、過大評価してはいけないことを再確認させられた。親善試合で大事なのは“事前の目的”と、それによって“何を得られるか”だ。

 いずれにせよ、そもそも強豪と試合をする機会がなければ、一喜一憂すらできない。本田の叫びが協会を動かし、ヨーロッパ、南米、アフリカの列強との親善試合が日常となって、日本にとってもそれが「肩ならし」になることを期待したい。

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マルアヌ・フェライニ
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