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黒田のカープ復帰決断に、米メディアから惜別の言葉。
~尊重された“金額より男気”~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byYukihito Taguchi

posted2015/01/27 10:00

黒田のカープ復帰決断に、米メディアから惜別の言葉。~尊重された“金額より男気”~<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

黒田は「悩み抜いた末、野球人生の最後の決断として」広島への復帰を決めたとコメント。

 ドジャース、ヤンキースで活躍した黒田博樹が、8年ぶりとなる古巣広島への復帰を決めた。ヤンキースをはじめ、メジャー各球団が提示したと言われる年俸15億円前後の好条件ではなく、4億円の広島を選択したことは、米球界でも話題を集めた。

 昨季終了後、黒田は「白紙」の状態でオフを迎えた。最終戦の試合後は、揺れる、複雑な心境を口にしていた。

「野球人としてはオファーがなければ、それは退く時。自分なりに考えなきゃいけないこともありますし、年齢が行けば行くほど難しくなってくると思います」

 過去数年は、毎年1年契約を結び、「いつ辞めてもいい」が、口グセのようになっていた。ヤンキースの首脳陣も黒田のスタンスを理解しており、引退の可能性を含め、今オフの動向を見守っていた。ただ、黒田の根底には、「ボロボロになって日本に戻りたくない」との美学があった。あとはタイミングだけだった。広島と3回の交渉を重ねた末、米移籍当時に「野球人生の最後は広島で」と公言した「約束」を守る決意を固めた。

広島、NY、LA……3都市でリスペクトされる投手に。

 今年40歳になるとはいえ、先発投手のFA市場でトップクラスにランクされていた黒田の日本復帰は、米球界でも波紋を呼んだ。ヤンキースの公式ホームページ上には、ファンの意見が殺到。「もっと援護があれば、少なくとも20勝できたシーズンがあった」、「ヤンキースの先発陣は脆くなった。田中やサバシアも故障持ちで心配」、「オーナーもGMも、日本へ復帰させるべきではなかった」と、相次いで黒田退団を惜しむ声が寄せられた。

 また、ドジャースの地元紙「ロサンゼルス・タイムス」は、黒田の実績と野球に取り組む姿勢を高く評価し、惜別の言葉を贈った。

「広島でもベストの投手として尊敬され、ここ(ロサンゼルス)でもとてもすばらしい投手として記憶されるだろう」

 野球界に限らず、米国には「プロの評価は金額」との認識が浸透しており、必ずしも黒田の「男気」が理解されるとは限らない。その一方で、個人の決断を尊重する考えも根強く、日本での活躍を願う声も少なくない。裏を返せば、米球界でもリスペクトされてきた証拠。メジャー7年間で、黒田が残した足跡は、79勝79敗の成績だけでは計れない。

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