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絶好調のリラードが、常に冷静沈着である所以。
~NBA屈指のクラッチ・シューター~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2015/01/23 10:00

12月20日に行われたスパーズとの一戦では、自己最多の43点をあげ王者を見事撃破した。

12月20日に行われたスパーズとの一戦では、自己最多の43点をあげ王者を見事撃破した。

 いつからか、それは“リラードタイム”と呼ばれるようになった。ポートランド・トレイルブレイザーズの試合終盤のことだ。競っているときはもちろん、負けていても、エースのデミアン・リラードが、まるでスーパーヒーローのように颯爽とシュートを決め、チームを勝利に導くところからつけられた。リラード本人も「かっこいいね。ぴったりだと思う」と、お気に入りの表現だ。

 リラードの勝負強さは昨シーズン、ロケッツとのプレイオフ1回戦で、残り0.9秒からシリーズ勝ち抜きの逆転ブザービーターを決めたことで一躍有名になった。今シーズンも、すでに何度も“リラードタイム”が発動し、昨季のチャンピオンであるスパーズを始め、多くのチームが犠牲になっている。

“リラードタイム”が増えて、チームの成績も向上。

 昔から勝負強かったというリラードだが、初めて決めた逆転シュートには苦い思い出があった。8年生(日本の中学2年生)のとき、1点差で負けている試合で逆転シュートを決めたのはよかったが、興奮して、その場でユニフォームのシャツを脱ぎ捨てた。ところが、実はこの時、試合時間がわずかに残っていたため、リラードはテクニカルファウルを吹かれ、結果、相手に2本フリースローを決められて試合に敗れてしまったのだ。

 この経験で学んだリラードは、今ではどれだけ鮮やかな決勝シュートを決めても、試合終了のブザーが鳴るまでは平常心を保つように心がけているという。決めて当然とばかりの表情をするのは、そんな理由があった。

 プロ3年目のリラードが頭角を現し、“リラードタイム”が増えるに従い、ブレイザーズの成績も向上している。今季も1月12日現在、30勝8敗で西カンファレンス2位と好調だ。

 もっとも、昨季もシーズン前半は同じぐらいのペースで勝っていたのだが、後半に負けが続き順位を下げた。

 その反省を踏まえ、リラードは言う。

「去年は若いチームで、勝つことに慣れていなかったこともあって、平均的なチームになってしまった。今季は優勝を狙えるエリートチームだという自信がある。と同時に、さらに成長する必要があることを忘れないようにしたい」

 過去にも失敗を生かして進化してきたリラード。後半戦の活躍が楽しみだ。

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