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新鋭、山口茜を生んだ地元・勝山の強化策。
~地方都市とバドミントンの関係性~ 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2015/01/21 10:00

新鋭、山口茜を生んだ地元・勝山の強化策。~地方都市とバドミントンの関係性~<Number Web> photograph by AFLO

 バドミントン界の高校生ヒロイン、山口茜(福井県立勝山高2年)の勢いが止まらない。

 12月にドバイで行なわれた世界上位8選手による「スーパーシリーズファイナル」の女子シングルス。テニスの錦織圭が出た「ツアー・ファイナルズ」に相当する、世界最高峰の大会に初出場した山口は、17歳とは思えない卓越した戦術眼やフットワークを武器に、次々と上位勢をなぎ倒していった。

 まずは4人による総当たりで行なわれた1次リーグ。初戦でロンドン五輪銀メダルの王儀涵(中国)にゲームカウント2-1で競り勝って番狂わせを演じると、第2戦では'13年の世界選手権優勝者であるラチャノック・インタノン(タイ)にも勝利し、ベスト4進出を決めた。第3戦は世界ランキング9位の戴資穎(台湾)を相手に粘りの逆転勝利だった。

 これには山口の地元である人口約2万5000人の勝山市も大興奮。準決勝の成池鉉(韓国=世界ランク5位)戦があった12月20日には急きょパブリックビューイングが開催され、約400人の市民が集まった。結果は0-2で敗れて3位だったが、山口のスマッシュが決まるたびに会場が沸いた。

勝山市が20年にわたり継続した強化策が山口を生んだ。

 決して大きくはない地方都市からなぜ山口のようなスーパー高校生が誕生したのか。勝山市では20年ほど前から市のバドミントン協会が独自の強化策を講じ、市内の各地区にスポーツ少年団を設立。有望な小学生約30人を強化選手として選抜し、現役時代に全国トップで活躍していた元選手約20人が熱心に指導している。勝山市生涯学習・スポーツ課の木船栄士氏は「市を挙げて継続してきた強化策の中で山口選手が出て来た」と胸を張る。

 16歳だった'13年にヨネックスオープンジャパンで日本人初優勝を果たし、脚光を浴びた。'14年には全日本総合選手権を初制覇し、日本ランキング1位。リオ五輪出場を争う4人のA代表の1人にもなった。世界バドミントン連盟選定の「最も躍進した選手」にも選ばれた。

 男子は5月のトマス杯を制し、スーパーシリーズファイナルでは女子ダブルスの高橋礼華、松友美佐紀組(日本ユニシス)が初優勝を飾るなど隆盛期を迎えている日本バドミントン界。'15年はその中心にいる山口のさらなる飛躍が楽しみだ。

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