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IT業界の雄・バルマー、バスケ界へ華麗な転身。
~オーナーはマイクロソフト元CEO~ 

text by

宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

PROFILE

photograph byGetty Images

posted2015/01/12 10:00

マイクロソフト取締役からクリッパーズのオーナーになっても、相変わらずの熱血漢ぶりだ。

マイクロソフト取締役からクリッパーズのオーナーになっても、相変わらずの熱血漢ぶりだ。

 ロサンゼルス・クリッパーズのホーム試合で、新オーナーのスティーブ・バルマーを見つけるのは簡単だ。クリッパーズ・ベンチ近くの一列目の席から、誰よりも大きな声で声援を送って目立っているからだ。マイクロソフトの最高経営責任者だった時も、走り回り情熱的なスピーチをすることで有名だったが、試合の応援も熱い。勝負が佳境に入りファンの後押しが必要になると、場内カメラに映されたバルマーは、さらに派手なジェスチャーで会場を盛り上げる。

「スティーブは僕らの一番のファン。いつでも応援してくれ、やる気にさせてくれる」と、クリス・ポールは言う。

 まさに昨季までのオーナー、ドナルド・スターリングとは対照的だ。スターリングは自チームの選手に対して、「なぜお前が試合に出ているんだ?」などと罵倒する野次を飛ばしたエピソードもある、風変りなオーナーだった。ケチなことでも有名だったから、もし試合中にセンターボードに映し出されたら、応援が盛り上がるどころか、ブーイングの嵐だったのではないだろうか。クリス・ポールやブレイク・グリフィンら人気選手を獲得して成績が上向いてからも、チーム最大の問題はオーナーだと言われていたほどだ。結局、去年春に人種差別的な発言が明らかになったことが原因で、チーム売却に追い込まれた。

バスケットチームとエンジニア部門の共通点とは?

 そのクリッパーズを、バルマーは史上最高額の20億ドルで入札し、買収した。そして、その直後にバスケットボール部門責任者兼ヘッドコーチのドク・リバースとの契約を5年5000万ドルで更改。

 バルマーいわく、クリッパーズのオーナーとして、バスケットボール部門(チーム)との関係は、マイクロソフトの総責任者だった時のエンジニア部門との関係に通じるという。自分の専門外のことだけに、細かい日常の判断は信頼できる人に任せることが成功の秘訣だ。だからこそ、リーダーとしてもバスケットボールの知識にも長けたリバースがすでにチームにいたことは好運だったと喜ぶ。

 シーズンを前に、バルマーはリバースの協力を得て、チームとしての信条を作成した。“ハードコア”(徹底的・筋金入り)という言葉が繰り返し使われた信条の最後は、こう締めくくられていた。

「私たちは、失望させない」

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