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遠藤保仁が、激動の1年を振り返る。
「今季はキャリアハイじゃない」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2014/12/17 10:30

遠藤保仁が、激動の1年を振り返る。「今季はキャリアハイじゃない」<Number Web> photograph by AFLO

遠藤保仁にとってJ1優勝は2度目、ナビスコ杯優勝は2度目、そして天皇杯優勝は3度目となった。来年はACL、代表でのアジア杯もある。遠藤のキャリアハイはいつ訪れるのだろうか。

「勝ち続けるためには、引き出しが大事」

 中断明けの連勝は5でストップするも、8月末から10月の川崎戦までリーグ戦は7連勝。W杯以降、その川崎戦まで12勝1敗1分けの驚異的なペースで勝ちつづけ、首位の浦和と14点あった勝ち点差を4まで縮めた。

 後半戦、ガンバの戦い方は非常にしたたかになっていた。4-2-3-1と、4-4-2の中盤がダイヤモンド型のものとボックス型の2種類という、3つのシステムを自在に使いこなせるようになっていた。とりわけダイヤモンド型をうまく使えるようになったのは大きかった。9月の広島戦で初めて採用し、1-0で完封。このシステムでナビスコカップ決勝の広島戦に挑み、後半にボックス型に戻して相手を混乱させ、3-2の逆転勝利に導いた。

「勝ち続けるためには、いかに引き出しを多く持っているかが大事でしょ。将棋と同じで、いつも同じ手で攻めると相手もわかってしまうんで、勝ちつづけるのは難しい。でも、これがダメなら次、次って出していけると相手は対応できなくなってくる。

 ガンバには、そういう引き出しがたくさんあった。自分自身もコンディションが良かったね。W杯以降チームに専念できていたし、勝ち続けている時は疲れもなかった。楽しくサッカー出来ていたのが大きかった」

「アジアカップ3度目の優勝をする」

 11月、ナビスコカップを獲ると遠藤はアギーレ監督の元での代表に初めて招集された。チームが好調の中での代表招集は必然であり、遠藤にとっても絶好のタイミングだった。日本代表の今シーズン最後の2試合で結果を出せば、2015年1月のアジアカップに繋がる。遠藤には、大きな野望があったのだ。

「アジアカップ4回連続出場を達成して、3度目の優勝をすること。今まで誰もやったことないからね」

 そのために非常に重要な試合となったホンジュラス戦、遠藤はスタメンで出場し、ゴールを決めるなど結果を出した。

「でも、代表はまだこれからですよ。自分もまだ2試合だけだし、コンセプトとかもまだ十分に把握できていない。弱い相手だとなんとなく出来てしまうけど、大会になるとなんとなくじゃ通じないからね。ただ、代表に呼ばれて改めて代表の良さがわかったし、自分を成長させてくれる場所だなって思った。気持ち的にもすごく充実していた」

【次ページ】 宇佐美「代表のボランチがふたりもいるなんて」

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