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香川真司、苦悩と葛藤の胸中を語る。
「自分を信じて乗り越えるしかない」

posted2014/12/16 16:30

 
香川真司、苦悩と葛藤の胸中を語る。「自分を信じて乗り越えるしかない」<Number Web> photograph by Sports Graphic Number

「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」、配信は毎週金曜日の予定です。

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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Sports Graphic Number

ブンデスリーガで戦う日本人選手の最新事情が満載の
メルマガ「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」。
最新号の中身をちょっとだけ……特別にご紹介いたします!

 【1】~ブンデスリーガ第14節:ハノーファーvs.ヴォルフスブルク~
      清武弘嗣、余裕を持ってプレーでき始めたからこその課題。

 【2】~ブンデスリーガ第14節:ハノーファーvs.ヴォルフスブルク~
      酒井宏樹、ゲームを支配しながらの「1-3」に滲む悔しさ。

 【3】~ブンデスリーガ第14節:ハンブルガーSVvs.マインツ~
      岡崎慎司、今節でもゴールもチーム全体に課題あり。

 【4】~チャンピオンズリーグ第6節:ドルトムントvs.アンデルレヒト~
      香川真司、「ここで投げ出したら、僕は下へ落ちる一方や」。

 【5】~チャンピオンズリーグ第6節:マリボルvs.シャルケ~
      内田篤人、窮地でのブロック、そして鹿島時代の先輩への言葉。

 【6】カメラマン・千葉格のPhotographer Diary
      ~マリボルの苦闘を制したシャルケイレブン~

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 【4】~チャンピオンズリーグ第6節:ドルトムントvs.アンデルレヒト~
      香川真司、「ここで投げ出したら、僕は下へ落ちる一方や」。

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 12月9日、ドルトムントはホームでアンデルレヒトと対戦した。香川はトップ下で先発出場、試合は1-1で引き分けた。MIXゾーンでのやり取りを掲載する。

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――グループステージの首位突破が決まりましたが?

「まあ最後ちょっとひやひやしましたけど、良かったと思います」

――メンバーを入れ替えたがどう戦おうと?

「戦い方に変わりはないというか、知っているメンバーではありますから。もちろん、(今のメンバーで)たくさん(の試合を)やっているわけではないですけど、比較的ボールポゼッションも高かったので。個人的にはミスがすごく重なったりして、前半はすごくナーバスになってしまいました。ただ、後半チャンスが増えて、(チームとして)点取れたとこまでは良かったですけど2点目が必要だったんじゃないかなと思います」

――後半に入って香川選手のプレーも攻撃的になった気がしましたが、ハーフタイムに何かあった?

「特に……個人的にはなかったです。自分の中で考えたのは、前半は……自分でも難しくしたのかもしれないですけど、みんなもちょっとミスが続いたりして、なかなか積極的にプレーをすることがなかったので、すごく難しかったです。ただ、やはりそこは切り替えるしかなかったですから、後半、しっかりと取り返す意味でも積極的に入ろうっていうのは決めていました」

――前半は早い時間帯にミスがいくつかあって、それで波に乗りづらかった?

「まぁ、サッカーですからミスはつきものですし、ミスが続くというのは今日の試合に限ったことではないです。そういうところはメンタル的なものが、やはり、一番左右してると思うんで。いかに、そういうミスを引っ張らずに切り替えてやれる強いメンタル……なのかわからないですけど、こうやって(自分に)結果が出ない中、ナーバスになりつつある状況で、どう打ち破るかという意味では、自分を信じて、積極的に……もちろん結果が出ない分、半信半疑な気持ちはありますけど。やはりそこを乗り越えるしかないですから。今日の試合に限ったことではなく、そういうところは個人的にはやはり、課題なのかなと思います」

こんな厳しい状況になるとは想像していなかった。

――先制した直後に自らシュートを打って浮かせてしまった場面がありました。どうしても打ちたいという気持ちが見えましたが?

「まぁ、あのような場面がもっと、少なくとも2~3回増えてくることが一番です。その中でもカウンターが……今日はスペースがあった分、あとはそこの精度だったり最後のところで絡めるかという意味では、まだ絡めてない。ただ、そこは結果を残していくしかないんで」

――味方との連係という面で見ると、味方の動きとは逆方向にパスを出してしまう場面も目立ちました。以前とは違う、コンビネーションの難しさは感じますか?

「“以前とは違うな”っていうのはもちろん感じます。ただ、それはどうしても、ドルトムントに来る前から分かってたことで、昔と比較されますしね。自分でも、昔のイメージを少なからず残ってる部分はある……。でも、それは引きずらないというか……いい意味で忘れる必要がある。そこは昔とは選手も違いますから。そこは、自分も早く順応しなきゃいけないですけどね。ただやはり、どうしても、そういうところの、昔……昔っていうかね、そこの葛藤があるのは事実ですけどね」

――じゃあ自分の中で“新しい香川真司”をどういうイメージで作ろうとしてる?

「どうですかね……なかなか結果が出てない中で、こうやって言うのは難しいことです。ただやはり(ドルトムントでの)1、2年目はやはり改めて考えると全てが上手くいっていたというところは感じる。色々経験した中で。そのリズムに乗ってたのは確かだから。もちろん努力した結果だと思いますけどね。チームとしても勢いを感じていましたし。

 ただ、今のこういう厳しい状況の中で、どこまで自分が……こう結果が出ない中で……マンチェスターでもそうでしたけど、やはり自分で、どうやったら結果が残せるのかっていうのを日々、考えています。ただ日々、精神的にね、メンタルの波があったりして、やはり本当に厳しい状況ですけど、これを乗り越えて自分たちが確立したサッカーで、個人的にも結果が出だした時には、改めて成長したと言えるんじゃないかなと思うので。

 それを出すために……もちろん(ドルトムントで)こんなに厳しい状況になるとはちょっと想像はしていなかったから。ただ、それはホントに自分にとっては試されているものですし、『ここで投げ出したら、僕は下へ落ちる一方や』と思っているんで。しっかりと結果を残していけるように頑張りたいです」

このほかにも、監督から期待されている役割、これから激化する ポジション争いについて切実な思いを吐露する香川選手。
この続きは、メルマガNumber「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」で ぜひお読みください。
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