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「オフシーズンの勝者」レッドソックスの“速攻”。
~上原と2年契約、積極補強で逆襲~ 

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byGetty Images

posted2014/12/15 10:00

サンドバルは今季ジャイアンツで16本塁打、73打点と、ワールドシリーズ制覇に貢献した。

サンドバルは今季ジャイアンツで16本塁打、73打点と、ワールドシリーズ制覇に貢献した。

 ボストン・レッドソックスが、早くも今オフの主役に躍り出た。サンクスギビング(感謝祭)の休暇が始まる直前、パブロ・サンドバルと5年9500万ドルの大型契約をまとめると、その後、すぐにハンリー・ラミレスと4年8800万ドルで契約。ストーブリーグの目玉とされていた内野手2人のダブル獲得に成功した。両選手との契約後、会見に臨んだチェリントンGMは「他球団と交渉する機会があったにもかかわらず、我がチームとの交渉を進めてくれた」と、会心の補強に満足そうな表情を浮かべた。

 昨季世界一となったレッドソックスにとって、今オフの大型補強は大命題だった。というのも、今シーズンは、開幕からつまずき、早々と優勝争いから脱落した。7月末のトレード期限前にはレスター、ラッキー、ピービの先発3投手を放出。あっさりと連覇をあきらめ、チーム再構築に方針を転換した。

世界一から最下位を経て、再び世界一のV字回復を。

 ア・リーグ東地区で首位オリオールズに25ゲーム差をつけられ、最下位に沈んだこともあり、再建への行動は迅速だった。ワールドシリーズが終了し、フリーエージェント市場が解禁となると、上原浩治と2年契約で合意。クローザー不足と言われる市場で、真っ先に大きなピースを埋めた。さらに、攻撃力不足を解消させるために、'12年ワールドシリーズMVPのサンドバル、'09年ナ・リーグ首位打者のラミレスに白羽の矢を立て、他球団に付け入る隙を与える間もなく、素早く交渉を進めた。

 その結果、米メディアは早くも「オフシーズンの勝者」と位置付け、ブックメーカーは来季の世界一オッズを、ドジャースと並びトップの9倍に予想した。

 その一方で、補強の手は緩めていない。次なるターゲットを先発投手に絞り、今季中、アスレチックスに放出した左腕レスター獲得にも動いている。

 世界一から最下位に転落したショックを振り払うかのように、次々と補強を進めているのも、オーナーのジョン・ヘンリー氏の大号令によるものだが、それ以上に熱狂的なファンの批判があったからにほかならない。世界一から最下位を経て、来季、再び世界一に上り詰めればメジャー球史でも他に例がない。盟主ヤンキースの補強が進まない中、レッドソックスの「速攻」は鮮やかだった。

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