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岐路に立たされている創設27年の名レース。
~名騎手が集うWSJSが経費削減?~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2014/12/14 10:30

11月29、30日に東京競馬場で行なわれた今年度のWSJSは浜中俊騎手が初優勝を飾った。

11月29、30日に東京競馬場で行なわれた今年度のWSJSは浜中俊騎手が初優勝を飾った。

 1987年に阪神競馬場で第1回が開催された「ワールドスーパージョッキーズシリーズ」(略称WSJS)は、来年で29回目を迎える。JRAと、海外、地方から選出されたトップジョッキーが様々な条件の4つのレースで達人の技をぶつけ合い、各レースの着順によるポイントの合計点で優勝を争うイベント。当初は騎乗手当が1鞍100万円、優勝賞金が500万円という大盤振舞いが売り物で、「明日が凱旋門賞だとしても、俺はこっちを選ぶ」と欧州の名騎手に言わせたほどの目玉企画だった。

 現行の騎乗手当50万円、優勝賞金300万円でも、出場騎手にとっては大きな魅力。出るだけで200万円が保証されているわけで、これは4000万円のレースに勝ったのと同等。昔があまりにもバブリーだっただけで、いまでも騎手にとっては名も実もある檜舞台であることに変わりはない。なかでも、賞金の安い地方競馬の騎手にしてみれば、まさに夢のようなイベント。統括する地方競馬全国協会も、各地区からのリーディングジョッキーを集結させて、2ステージ制で行なうプレーオフ制度を構築。たった一人の代表を公平に選出するシステムを演出して盛り上げに一役買っている。

来年は札幌で開催予定だが、8月では相当に難航する?

 このWSJSが岐路に立たされている。創設当初は招待騎手を追い切りに呼び、ウェルカムパーティーを豪華に開催するなどして、世界のビッグネームと日本のホースマンの交流の場を作る目的を前面に押し出していたのに、最近は経費節減でパーティーも縮小傾向。淡々と回数を重ねているように見えるのだ。外国人騎手への短期免許制度が定着して、日本の競馬はいまや毎週がワールドスーパージョッキーズ。ファンの興味が薄れてしまった感も否めない。JRAから見れば、役目がとっくに終わった金食いイベントというのが本音かもしれない。

 そこへ聞こえてきたのが、来年は札幌でWSJSを開催というニュース。ローカルに名手を集結させるアイデアはなるほどと思ったが、8月という時期が問題ではないか。前半のみの成績で選抜されるJRAの騎手も慌ただしいが、地方の代表騎手の選抜方法はもっと忙しい。欧米の名手を招聘するにしても、自国の重要なレースが目白押しの時期だけに、招致活動は相当に難航しそうだ。

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