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<ハワイ、ビッグアイランドを駆ける> マウイの自然を感じるバイクルートを訪ねて。 

text by

林田順子

林田順子Junko Hayashida

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2014/12/04 10:00

<ハワイ、ビッグアイランドを駆ける> マウイの自然を感じるバイクルートを訪ねて。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama
マウイにはロード派もMTB派も夢中になる数多くのバイクルートがあり、
それぞれに違う特色をもっている。その魅力を知るため、
マウイでも人気の高いバイクルートを実際に走ってみた。

好評発売中の雑誌Number Do『ハワイを走ろう』より、
多くの人が魅了されるサイクリングコースを一部公開します!

 アメリカやカナダのバイカーにとって、マウイ島を自転車で走ることは一種のステイタスになっているという。彼らを魅了するものとは何なのか――。

 島を代表するアクティビティとなっているのが、標高3055mのハレアカラ山からのサンライズダウンヒルだ。国立公園内にある頂上からのライドは、事故が多発したため、禁止となってしまったが、国立公園のゲートの外、2000m付近からであれば自転車で下ることができる。

寒さを耐えれば、息を呑むほどに美しいサンライズが。

 夜明けには遠い午前3時。ダウンヒルツアーのデスクは参加者たちで賑わっていた。ウィンドブレーカー、グローブ、フルフェイスのメットなどが次々と手渡される。用意が整ったところでバスに乗り込み、ここから一気に山頂まで登る。バスの中では運転手が分岐点ごとに帰り道を説明。これを忘れると店には戻れなくなるので、眠気と戦いながら必死に目印を頭に叩き込む。

 朝5時。真っ暗闇の山頂は、サンライズを見るためのビジターで賑わっていた。頭上には満天の星。が、人々の熱気とは裏腹にとにかく寒い。ダウンコートの上からウィンドブレーカーを羽織り、寒さに震えながら6時半の日の出を待つ。東の空が徐々に白みはじめると、日の出まではあっという間。雲海が朝陽に染まり、息を呑むほどに美しい。

 7時半、山頂を出発し、国立公園の外に出ると、レンタルバイクを積んだワゴン車が待っていた。背丈に合った自転車を選んだら、ここで解散。あとは自由に店まで戻っていく。

 山頂から1000mほど下ったとはいえ、そこはまだ高峰の世界。自転車を走らせるとすぐに現れるのは、見渡す限りの雲海、遥か下に広がるマウイ島の自然や街、そして海。参加者たちは自転車を降り、まずは絶景を眺め、記念撮影をし、この時間をゆっくり楽しむ。

 ここからは麓を目指して一気に下る。道は片側1車線。路側帯を走るようにと言われていたものの、幅が狭くなったり、草が生えているところも多く、車道を走らざるを得ないところも多い。とはいえ、まだ早朝。車の姿はほとんど見えず、独占状態だ。絶景を眺めながら風を切り、急カーブでのコントロールを楽しむうちに、どんどん麓は近づいてくる。あんなに自転車に乗るのを嫌がっていた同行カメラマンでさえ「もう着くよ。寂しいなぁ」とつぶやくほど、贅沢な体験だった。

【次ページ】 バイカーたちが資金を集めて整備した新コースとは?

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