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今宮健太が体感したメジャーの“エグさ”。
~三遊間深くのノーバン送球を磨け~ 

text by

石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

PROFILE

photograph byNaoya Sanuki

posted2014/12/02 10:00

日米野球でも守備範囲の広さをみせた今宮。沖縄での親善試合では、同点適時打も放った。

日米野球でも守備範囲の広さをみせた今宮。沖縄での親善試合では、同点適時打も放った。

 侍ジャパンの背番号2は首をかしげて、こう言った。

「エスコバルのことをずっと見てるんですけど、凄さがまだよくわからないんです。打球が三遊間の深いところに飛んでないこともあると思いますけど……」

 日米野球、第3戦の試合前のことだ。今宮健太は、MLBオールスターのショートを守るロイヤルズのアルシデス・エスコバルの動きをつぶさに追っていた。しかし第2戦まで、エスコバルの動きは今宮の期待には応えてくれなかった。

「思ったよりもスタートも良くないし、守備位置が思ったよりも浅いんです。なぜかな。なぜなんですかね?(笑)」

 今宮がもっとも見たかったのは、三遊間の深いところからエスコバルがどんな送球を見せてくれるのかということだった。プロ入りする際、「見てもらいたいのは三遊間からの送球」と話していた今宮が今年、「その気持ちは変わらないけど……」と話していたことがあった。

「なかなか一塁まで届かないんです。ワンバウンドになってしまうことが多い。三遊間の深いところからノーバンで投げたいんですけど、できるだけ素早く投げようとすると、シンカー系の沈むボールになってしまう。だから崩れた体勢からでも素早くノーバンで投げられる、うまい体の使い方を掴みたいんです」

「下半身と上半身の使い方が上手いんだと思うんです」

 今宮にとって、この日米野球はそのヒントをつかむ絶好のチャンスだった。だから第5戦が始まる前、今宮にもう一度、「まだメジャーの凄さは体感できない?」と確かめてみた。すると今宮は目を輝かせて、興奮気味にこう言ったのだ。

「見つけましたよ、エスコバル。エグいっすよ、エグい。ナマで見ないとあの送球の勢いはわからない。菊池(涼介)さんの打った三遊間の当たりをツーステップ目の左足で踏み切って、ジャンピングスロー。その送球がエグかった。あんな体勢から強いボールを投げられるのは上体の強さだけじゃなくて、下半身と上半身の使い方が上手いんだと思うんです」

 今宮はエスコバルの送球する形をマネてみせながら、何度も「エグい」を連発していた。彼の脳裏に焼きついたエスコバルの動き、体の使い方、一塁へ投じられた失速しない送球は、これからの今宮の道標になるはずだ。日米野球の意義はこういうところにも存在している。

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