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天皇賞・秋のスピルバーグに思う、
重賞未勝利馬がなぜGIを勝つのか? 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2014/11/04 11:10

天皇賞・秋のスピルバーグに思う、重賞未勝利馬がなぜGIを勝つのか?<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

上がり3ハロン33秒7というタイムで豪快に差し切ったスピルバーグ。ジャパンカップでのハープスターとの対決が注目される。

一番人気イスラボニータに何が起こったのか?

 イスラボニータは、戦前から懸念されていた15番枠という外枠が響いた。道中、ずっと外を回らされるのを避けようとある程度ポジションを取りに行った結果、やや力んでしまった。前に馬を置いて脚を溜める形に持ち込むことができていれば、ゴール前でもうひと伸びできたのではないか。とはいえ、さすがクラシックホースという力を見せてくれたことは確かだ。

 この馬のほかに2頭のダービー2着馬が出走していたのだが、エピファネイアは6着、フェノーメノは14着に敗れた。2頭の敗因はよく似ており、ゲート入りのときから気負いすぎ、序盤から自分のリズムで走ることができず、力を出せなかったこと。両馬ともほぼ半年ぶりの実戦となったため、休み明けにありがちな負けパターンにハマってしまった感がある。

 だが、これら「ダービー2着馬軍団」が、こんな成績に甘んじているわけがない。ハープスターやゴールドシップなど、凱旋門賞出走組とこれからどんな戦いを見せてくれるか――秋の楽しみは始まったばかりだ。

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