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男子7人制日本代表のチーム編成に異議アリ。
~ラグビー界の“本気度”は?~ 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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posted2014/10/26 10:30

男子7人制日本代表のチーム編成に異議アリ。~ラグビー界の“本気度”は?~<Number Web> photograph by KYODO

 金メダルを首から下げ、選手たちは誇らしげに現れた。10月3日、仁川アジア大会の7人制ラグビーで優勝した男子日本代表は、帰国すると日本ラグビー協会に直行、優勝報告会見に臨んだ。

 日本男子は1次リーグから準決勝までの5試合をすべて圧勝、無失点で勝ち抜き、決勝の香港戦も24-12で勝利し3連覇を決めた。男子の五輪種目団体球技で唯一の金メダル獲得は、3月にワールドシリーズ昇格戦で優勝した実力を遺憾なく発揮した結果に見えるが……。

「今日、金メダルを持って優勝を報告できることを嬉しく思います」

 優勝報告会見で、こう切り出した7人制男子日本代表の瀬川智広ヘッドコーチ(HC)は、厳しい顔で続けた。

「我々は全員が15人制をプレーしながら7人制もプレーしていますが、この体制で勝てるのは、今回の金メダルがギリギリ。来年11月の五輪アジア予選で代表権を獲得できる保証はないです」

列強が集う大会に経験が浅い選手が多くなる理由とは?

 瀬川HCが危機感を覚えるのも無理はない。仁川から帰国して2日後、ワールドシリーズ開幕戦のオーストラリア大会に旅立った代表メンバー編成を見ると、12人中、仁川からの連続出場は坂井克行主将、大黒柱の桑水流(くわずる)裕策ら4人のみ。世界最強のニュージーランドはじめ列強に挑む大会に、7人制国際大会初参加3人を含む経験の浅いメンバー編成となった。トップリーグが再開し、チーム事情から選手派遣を渋るチームが続出。そもそもアジア大会も、代表選手3人が直前のトップリーグでのケガ等で離脱し、急遽代替メンバーを招集しての参加だった。

「事前に7人制の練習をしても、いったん15人制に戻ると、感覚を7人制に戻すのに時間がかかる。大会前には感覚を戻すのが精一杯で、前の合宿でやったことに積み上げていけない」(瀬川HC)

 5年半ぶりに7人制に参戦した15人制日本代表主将のリーチマイケルは話した。

「改めて、7人制は15人制とは別のスポーツだと思った。アタックもディフェンスも感覚が全然違うし、休む時間はゼロで本当に大変。でも選手を固定すれば日本にも世界で勝つチャンスはあると思う」

 列強は7人制専門の選手が年間を通じて専門スキルを磨いている。日本ラグビー界は本気でそこで勝負しようとするのか。覚悟が問われている。

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