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メジャー最強左腕の「最悪の1日」。
カーショーを再び襲った“悪夢”。 

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菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2014/10/19 10:40

メジャー最強左腕の「最悪の1日」。カーショーを再び襲った“悪夢”。<Number Web> photograph by Getty Images

10月7日、カージナルスとの第4戦に中3日で登板したクレイトン・カーショー。7回に打たれ、途中降板となり、納得のいかない表情を見せていた。

2試合とも、7回に突然崩れたカーショー

 カーショーの言うデジャブとは、彼が先発した2試合、7回での出来事だった。

 両試合とも6回まではほぼ完ぺきな投球をしていた。

 しかし、第1戦は7回に突如乱れ、先頭から4連打を浴びるなど、計8安打8失点を許し途中降板。第4戦も、7回に決勝3点本塁打を浴び途中交代を余儀なくされた。

 6回までの投球だけを見てみると、第1戦は2本塁打されたものの、5連続を含む8奪三振で2安打2失点無四球。そして、第4戦も1安打無失点、9奪三振とほぼ完ぺきな内容で、まさにカーショー“本来”の姿がそこにあった。

 それが7回に入った途端、まるで別人へと変貌してしまったわけだ。

 その象徴的な出来事が、第4戦でマット・アダムス選手に打たれた決勝本塁打だった。米国メディアによると、カーショーの最強の武器であるカーブをメジャー人生で初めて左打者に本塁打されたのだという。

「打たれた理由を説明できない」というジレンマ。

「カージナルス相手では、いい投球ができていた。なのにいつも1イニングでやられてしまっているような感じだ。明らかに上手くいっていないけど、その理由を説明することはできない」

 カーショーが話すように、シーズン中の対カージナルス戦の通算成績は、14試合に登板し、5勝5敗、防御率3.46と相性が決して悪いわけではない。

 しかしポストシーズンになると、昨年のリーグ優勝決定シリーズでもカージナルスと対戦し、0勝2敗、防御率6.30に終わっている。やはり対戦相手の問題というよりも、カーショー自身の問題ということなのだろう。

【次ページ】 個人成績よりも、優勝リングこそが重要。

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