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ザ・ロックの魅力溢れる映画『ヘラクレス』。
~WWE名レスラー、躍動する演技~ 

text by

門馬忠雄

門馬忠雄Tadao Monma

PROFILE

photograph by2014 Paramount Pictures

posted2014/10/12 10:30

ザ・ロックの魅力溢れる映画『ヘラクレス』。~WWE名レスラー、躍動する演技~<Number Web> photograph by 2014 Paramount Pictures

近年は『ワイルド・スピード』シリーズなど、ヒット作への出演も増えているジョンソン。

 古稀を過ぎた身には、3Dメガネを装着して巨大スクリーンと向き合う“99分間の対決”は、いささか視神経が疲れた。

 10月24日封切予定のハリウッド大作『ヘラクレス』は、ギリシャ神話のゼウスと人間の子、ヘラクレスから題材をとったアクション・スペクタクル作品だ。

 監督は『ラッシュアワー』で名を売ったブレット・ラトナー。主演は、米国メジャー団体WWEで、世界ヘビー級王座に8度就いたことのあるザ・ロックことドウェイン・ジョンソン(本名)、42歳。

 一般の映画ファンは、ジョンソンが20世紀末から今世紀初頭にかけて大活躍した代表的な黒人レスラーだということを知らないだろう。彼がザ・ロックとして来日したのは、’02年3月1日、横浜アリーナで行われたWWEの日本公演のみ。その時期と前後して、彼は本格的に映画界進出を果たしている。

 ジョンソンは、父親がドロップキックの名手で鳴らした黒人レスラーのロッキー・ジョンソン。祖父もサモア系の強豪レスラー、ピーター・メイビアという良血だ。全盛期のサイズは196cm、118kgで、アメフト(マイアミ大)上がりの均整のとれた褐色の肉体と、跳躍力には素晴らしいものがある。

元プロレスラーの名優、ウディ・ストロードのように。

 そんな磨き抜かれた肉体がスクリーン狭しと躍動するのだから、映画は息が詰まるほどのド迫力。プロレス技が見られなかったこととお色気シーンがなかったのが残念だったが、ジョンソンの運動能力と魅力を十分に堪能できる一本だった。

 思い起こされるのは、'60年代にジェフリー・ハンター主演で封切られた『バファロー大隊』という映画だ。その作品で人種差別にさらされる黒人兵に扮したのは、元プロレスラーで身長2m近くの巨漢、“黒人俳優の始祖”と呼ばれるウディ・ストロードだった。ジョンソンのアクションは、かのストロードの目の動きと容姿を彷彿とさせるものだったと言ったら褒めすぎだろうか。

 '80年代にテレビ東京「世界のプロレス」の解説者として、マディソン・スクエア・ガーデンなど本場でプロレスを観て回った筆者は、エンターテイメントの華々しい舞台でレスラーが躍動する姿を見られるだけで嬉しいものだ。ジョンソンの映画界でのさらなる飛躍を期待したい。

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