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中田、小野、本田が通った道を!
U-20W杯出場は南野拓実に託された。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2014/10/08 11:20

中田、小野、本田が通った道を!U-20W杯出場は南野拓実に託された。<Number Web> photograph by J.LEAGUE.PHOTOS

清武弘嗣、柿谷曜一朗と受け継がれてきたセレッソの13番を背負う南野拓実。昨年のJリーグベストヤングプレーヤーはアジアからも警戒の的だ。

嫌な流れを食い止めるときがきた。

 U-20W杯――五輪――W杯というラインは、選手が成長し、日本サッカー界が発展するためには不可欠なサイクルなのだが、2007年以降、この“3本の矢”が揃っていない。「カテゴリー別の代表だからまぁいいか」と余裕を見せていると、今後五輪予選やW杯予選で痛い目にあうことになるだろう。

 たとえば、2013年のU-20W杯トルコ大会でベスト4に入ったイラクは急成長しており、先のアジア大会でもU-21日本代表がいいところなく敗れた。彼らはアジア予選でも日本を奈落の底に突き落としたが、五輪代表、A代表の舞台でも、日本にとっては今後大きな脅威になることが予想される。日本がU-20W杯の出場権を失い続ければ、イラクのような国の台頭を許し、五輪やW杯出場が危うくなる可能性さえ出てくるのだ。

 8年続いた嫌な流れを食い止めるためには、このアジア予選を勝ち抜かなければならない。リオ五輪予選の前哨戦としても、負けられない大会になる。

司令塔は川辺駿、エースはもちろん南野拓実。

 U-19日本代表を率いるのは、かつてジュビロ磐田を率いて2002年に1st、2ndの両ステージを史上初めて完全制覇した鈴木政一である。選手の特徴を見抜き、適材適所でチームを構成していく手腕は今も健在だ。

 磐田の黄金期には名波浩を軸に中盤を支配する攻撃的サッカーを見せたが、U-19代表でもボールをアグレッシブに取りに行き、自分たちでアクションを起こす攻撃的サッカーが持ち味だ。

 このチームで名波の役割を果たすのは、川辺駿(広島)だろう。サイドには個人で仕掛ける力を持つ関根貴大(浦和)や金子翔太(清水)がおり、その前には南野拓実(C大阪)がいる。彼らを操り、ゲームを作る役割が川辺には求められるが、広島ユース時代はボランチだったので、まさに適任だ。

 そしてエース南野への期待は、言うまでもなく非常に高い。このチームで、J1でレギュラーとしてプレーしているのは南野ただ1人。彼の活躍なくして世界への切符を取ることはできない。ゴールでの貢献はもちろん、チームを引っ張るキャプテンシーも問われることになる。

 こういう予選では、時にラッキーボーイ的な存在が鍵を握ることがある。'98年の予選では本山雅志、2002年の予選は坂田大輔、2004年の予選は森本貴幸だった。

 今回は、奥川雅也(京都U-18)が面白そうだ。「守備は苦手だけど攻撃で貢献する」と言い切る潔さと、“とんがった”感じが「なにかやってくれる」期待感を抱かせてくれる。

【次ページ】 ここ数年アンダー世代が敗れ続けてきた韓国と同組に。

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