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長い渇きと新星の台頭。
~伏兵多きMLBポストシーズン~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2014/10/04 10:50

長い渇きと新星の台頭。~伏兵多きMLBポストシーズン~<Number Web> photograph by Getty Images

レギュラーシーズンの9月は主に2番で出場し、87打数33安打、打率3割7分9厘と打ちまくった青木宣親。

 最後の最後までもつれていた大リーグの2014年レギュラーシーズンに、ようやく決着がついた。もしかすると、ワイルドカード・プレーオフの前に地区王者や2枚目のワイルドカードを決めるワンゲーム・プレーオフもあるのではないか、と思っていたのだが、さすがにそこまではもつれなかった。まあ、これくらいでよいでしょう。混戦と一発勝負がつづけば、当落線上にあるチームは、戦力(とくに先発投手陣)が疲弊してしまうからだ。地区優勝チームを優遇するシステムは妥当だろうが、番狂わせの可能性をどんどん低くしてしまうのはあまり面白くない。

 いうまでもないが、ポストシーズンに残った10球団のうち、2球団はさっさと消える。9月30日には、壮絶な点の取り合い(9対8)の末、アスレティックスが散って、ロイヤルズが生き残った。10月1日には、ジャイアンツがパイレーツを8対0と粉砕した。

 めでたくもあり、めでたくもなし、という感じだ。後半戦の戦いぶりを見るかぎり、パイレーツやロイヤルズには、ディヴィジョンシリーズまで残ってもらいたいと思っていた。一発勝負だけにどっちへ転んでも仕方がないが、期待した理由はつぎのとおりだ。

乾きが長かったパイレーツ、ロイヤルズ。

 たとえば、2年連続ポストシーズン進出を決めたパイレーツは、1979年以来、ワールドシリーズを制していない。'93年から2012年までは20年連続負け越しという情けない記録を作ってしまった。せっかくつかんだ勝ち運なのだから、もうしばらく保っていてもよかったのではないか。

 ロイヤルズも、渇きが長い。ワールドシリーズを制したのは、'85年が最初で(いまのところ)最後。というか、以後29年間、この球団はポストシーズン進出を果たしたことさえなかったのだ。これほど長く「プレーオフ・スポット」と無縁だったチームは、北米4大スポーツ全体を見渡しても他に存在しない。

 本塁打数=大リーグ最少(95本。最多はオリオールズの211本)、四球数=大リーグ最少(380個。最多はアスレティックスの586個)、盗塁数=大リーグ最多(153個。最少はオリオールズの44個)というスタッツを見ればわかるとおり、青木宣親のいるこのチームは「スモールボール」に徹してきた。最後まで勝ち残るとは思えないが、こんな伏兵が暴れると、ポストシーズンは面白くなる。

【次ページ】 地区優勝6球団中、5チームが「お久しぶり」。

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