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<世界バレーへ、独占インタビュー> 木村沙織 「世界一になれる戦術はこれしかない」 

text by

田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

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photograph byTakahisa Hirano

posted2014/09/25 11:30

<世界バレーへ、独占インタビュー> 木村沙織 「世界一になれる戦術はこれしかない」<Number Web> photograph by Takahisa Hirano
ワールドグランプリでは過去最高の2位。
新戦術はセンセーションを巻き起こした。
9月23日に開幕した世界選手権に向けて、
主将は確かな手応えを掴んでいる。

 世界選手権に向けた直前合宿。練習を終えた体育館に、ユニフォーム姿で木村沙織が現れた。

 にこやかな表情で、右脛を指差す。見れば、大きなアザができていた。

 直前に行われていたワールドグランプリで、誰かと交錯した時か。それとも、ディグ練習の時か。理由を尋ねると、笑いながら、あっけらかんと答えた。

「喋りながら歩いていたら、イスがあるのに気づかなくて。思いっきりガツン、とぶつけちゃったんです。バレーじゃないところでアザをつくるって、相当カッコ悪いですよね」

 東京・有明コロシアムで8月20日から24日までの5日間、6カ国総当たりで順位を決めるワールドグランプリファイナルが開催され、日本チームは、史上最高順位の2位という好成績を残した。

「ハイブリッド6」って、6人でハイブリッド車に乗るの?

 結果もさることながら、今大会、注目を集めたのは眞鍋政義監督が「ハイブリッド6」と名づけた新戦術だ。

 聞けば、コートに入る6人の力を掛け合わせ、混ぜ合わせてプラスに機能させる、という意味が込められているらしい。

「初めて聞いた時の反応は『おっ』とか『何それ?』ではなく、『ふ~ん』みたいな感じでしたね(笑)。6人乗りのハイブリッド車に、私たちが6人で乗っていたら、ホントに『ハイブリッド6』だなぁとか、そう考えると面白いですけどね(笑)」

 リラックスした表情で、日本代表として初めて手にした銀メダルと、新戦術について、木村はゆっくりと語り始めた。

 ファイナルラウンドに先立って、7月に開幕した予選ラウンドではトルコ、ロシア、アメリカ、イタリア、中国に5連敗スタート。決して順調な幕開けではなかった。

「初めて世界を相手にやってみたけど、なかなか勝てなくて。この戦術で大丈夫なのかな? という不安もあったり。みんな、歯がゆい気持ちでした」

【次ページ】 ポジションの概念を取り払う戦術に木村も戸惑った。

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