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アギーレの練習に感じる一抹の不安。
バルサ式&サイド偏重は両立するか。 

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木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byYusuke Nakanishi/AFLO

posted2014/09/12 10:30

アギーレの練習に感じる一抹の不安。バルサ式&サイド偏重は両立するか。<Number Web> photograph by Yusuke Nakanishi/AFLO

札幌の公開練習で戦術を確認する際には、アギーレが積極的に指示を出すシーンが見られた。特にDFラインから前線に長いパスを出す練習を繰り返していた。

「パスを出したら、ボールを受けた選手をサポートしよう!」
フアン・イリバレン (日本代表フィジカルコーチ)

 アギーレジャパンは、まだわずか9日間しか活動しておらず、監督本人が「2試合でスタイルを作ることはできない」と語ったように、この時点でチームとしての形を求めるのは酷だろう。

 親善試合に“過大評価”と“過小評価”が禁物なのは、ザッケローニ監督時代の東欧遠征(昨年10月)とベルギー遠征(昨年11月)で痛いほど味わった。欠点に目を向けすぎず、それでいて活躍した選手を褒めすぎないという姿勢が必要だろう。

 それでも活動9日間ながら、完全公開で行なわれた3度の練習(札幌で2回、横浜で1回)によって、ハビエル・アギーレ監督のチーム作りの輪郭がぼんやりと見えてきた。

 結論から書くと、アギーレは部下に権限を与える「分業型」の監督である。ほとんどの練習の指揮を、スペイン人フィジカルコーチのフアン・イリバレンに任せているのだ。

クラブ、代表で12年間タッグを組んできた2人。

 イリバレンはバスク地方出身(ナバーラ州のパンプローナ出身)で、バスク系メキシコ人のアギーレとルーツが同じ。アギーレより8歳下の47歳で、世代としてはモウリーニョ(51)とグアルディオラ(43)のちょうど中間である。

 アギーレはイリバレンを「彼は常に最新の理論を勉強している」と評価しており、オサスナ、アトレティコ・マドリー、メキシコ代表、サラゴサ、エスパニョールと12年間に渡ってタッグを組んできた。

 イリバレンの練習はモウリーニョと同じように、体を温めるためのジョギングをせず、いきなりボールを使ったメニューから始まる。いわゆる戦術的ピリオダイゼーションと呼ばれる方法論で、ボールを使ったサッカーの動きでウォーミングアップを行なう。たとえば3人1組でパス交換をしながら、ときおりストレッチの時間を短く入れるという感じだ。

【次ページ】 グアルディオラも好むパス回しの練習法。

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