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惚れ惚れするGKのプレーが暗に示唆する「世界との差」。
~Jに西川を脅かす存在はいるか~ 

text by

浅田真樹

浅田真樹Masaki Asada

PROFILE

photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2014/09/07 10:30

西川を中心に、今季はJ1新記録の7試合連続無失点も達成した浦和。リーグ戦8年ぶりの戴冠なるか。

西川を中心に、今季はJ1新記録の7試合連続無失点も達成した浦和。リーグ戦8年ぶりの戴冠なるか。

 西川周作がJリーグのナンバーワンGKであることに異論を挟む人は、恐らく少数派に違いない。シュートストップはもちろんだが、足下の技術の高さも併せて考えると他を圧倒している。

 J1第19節、川崎対浦和の試合では、西川のロングフィードが右サイドのスペースに走りこんだ関口訓充に通り、そこから李忠成のヘディングシュートにつながる場面があった。得点にはならなかったが、実に鮮やかな展開だった。

 何より素晴らしかったのは、西川の時間の作り方とキックの精度である。

 西川は受けたボールを慌てて蹴り出すことなく、自ら前方のスペースへ持ち出してタメを作り、「DFが中央のチュンくん(李)に引っ張られたので」空いた右サイドへ正確なパスを送った。最後のシュートが決まっていれば、GKを起点としたスーパーゴールだったと思う。

 日本にはポゼッション志向のチームが数多いが、ボールを保持するためにGKを活用できているところはほとんどない。そもそも意識がないのか、やろうにもGKの技術が足りないのか、とにかくできない。ただただ大きく蹴り返すだけのGKばかりが目立つ。

西川ひとりが目立つ状況では、世界から後れてしまう。

 翻って、先のワールドカップである。GKの活躍が目立った大会にあって、なかでも別次元のプレーを見せていたのが、ドイツ代表のノイアーだった。

 シュートやクロスの処理にミスがなく、DFラインの背後のカバーも完璧。そのうえ、攻撃時にはポゼッションに加わることもできていた。そもそも味方がパスをつないでいるときのポジショニングからして違う。ペナルティエリアの外に出て、DFと連携してパスをつなぐためのポジションが取れていた。

 GKはシュートを止めるだけでなく、足下でボールを扱えなければいけない。日本でもそんなことが言われて久しい。日本代表にしても攻守にコンパクトな戦いを目指すなら、足下でボールを扱えるGKが不可欠だ。にもかかわらず、実際にできるGKはほとんどいない。

 日本と世界との差を語るとき、GKがクローズアップされることは少ないが、残念ながら他のポジション以上に世界から後れている。西川のキックに惚れ惚れとする一方で、彼ひとりが目立つ状況には寂しさも覚えてしまう。

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