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ヤンキースが検討する「先発6人制」の現実味。
~田中の故障、ダルの提言を契機に~ 

text by

四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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photograph byAFLO

posted2014/09/06 10:30

7月に戦線離脱した田中将大は8月下旬に投球練習を再開。今シーズン中の復帰を目指している。

7月に戦線離脱した田中将大は8月下旬に投球練習を再開。今シーズン中の復帰を目指している。

 米球界で頻出する投手の故障問題が話題を集める中、プレーオフ争いの佳境を迎えるヤンキースが、先発ローテーションを6人に増やす可能性が高まってきた。現段階で、ジラルディ監督をはじめ球団トップは明言していないものの、既に具体的な検討を開始。右肘痛で故障者リスト入りしている田中将大が復帰する場合、20日間で21試合が予定される9月9日以降を「6人制」で乗り切るプランが、現実味を帯びてきた。

 キッカケは、7月14日、オールスターの前日会見で、レンジャーズのダルビッシュが提言した「中4日限界説」だった。現役トップクラスの選手の持論には説得力があり、米国メディアも次々に話題として取り上げ、一気に波紋は広がった。

 先発5人制が主流となった1990年代後半以降、「1試合100球、中4日ローテ」が定着したメジャーでも、休養の重要性は認識されてきた。疲労が蓄積する夏場に、「エキストラ・レスト(追加の休養)」を与えるチームも少なくない。実際、ヤンキースは8月中旬、疲れの見える黒田に対し、中8日を打診。黒田自身の希望で中6日となったものの、球数制限だけでなく、「十分な休養=体調回復」が故障防止の近道であることは、球界内でも常識となっている。

現行の5人制を支持する声は根強いが、変革の動きも。

 もっとも、現行の5人制を支持する声は、依然として根強い。今季途中、レッドソックスからアスレチックスにトレード移籍したジョン・レスターは、議論の必要性を認めた上で、ハッキリと言う。

「そういう(6人制の)意見を持っている人がいることは不思議ではない。だが、僕自身は登板間に強化、ケアをやっているし、中4日で十分だと思う」

 今回のヤンキースの場合、故障明けの田中、ベテラン黒田の疲労を考慮したもので、9月1日からロースター枠が25人から40人に拡大される事情もある。その一方で、サバシアらが復帰する来季への「テスト」との見方もある。

 過去、3人制から徐々に4、5人と変遷してきた歴史からも、6人制が定着するとしても、その前段階として、「暫定」や「併用」の時期があるだろう。ただ、盟主ヤンキースが先陣を切ることで、他球団も真剣に検討するようになれば、変革への動きが拡大していくことも間違いなさそうだ。

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