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新布陣で臨む世界選手権。体操男子、打倒中国なるか。
~白井らスペシャリストの試金石~ 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byGetty Images

posted2014/08/16 10:30

新布陣で臨む世界選手権。体操男子、打倒中国なるか。~白井らスペシャリストの試金石~<Number Web> photograph by Getty Images

次期エース候補として期待される白井(後列右から3番目)は2度目の世界選手権出場となる。

 7月上旬の全日本種目別選手権を終えて、今年10月に行なわれる体操の世界選手権日本代表が出揃った。男子は6月までに開催された選考対象大会ですでに決まっていた内村航平、野々村笙吾、加藤凌平に、今大会の結果で新たに3名が加わった。そこには、予てからの悲願としてきた「打倒中国」が込められている。

 内村の活躍などで、一見、体操ニッポンが復活したかのような印象がある。だが、体操界では決してそう捉えていない。オリンピックと世界選手権で6大会続けて中国に敗れ、団体での優勝を逃していることが傷となっている。

 内村に限らず、昨年の世界選手権個人総合銀メダルの加藤などもいるにもかかわらず、中国との差を生じさせているのは、ある種目に強い「スペシャリスト」の存在にあった。もともと日本では、すべての種目をこなせるオールラウンダーを重視する伝統がある。それが内村のように、すべてを高いレベルでこなすことのできる選手が生まれる土壌となっている。一方で団体では中国に跳ね返されてきた。団体の決勝は種目ごとに各チーム3名の得点で争われるため、それぞれの種目で得意な選手を出せばよい。そのため、スペシャリストをそろえた中国に遅れを取ってきたのだ。

ゆかの白井、鉄棒の田中は別種目にも強みがある。

 ロンドン五輪で違いをあらためて痛感した日本は、昨シーズンから、よりスペシャリストを重視する選考を打ち出した。今年は5月の全日本選手権に出場しない選手を対象に、全日本種目別出場のための「トライアル」を初めて実施するなど、発掘により力を注いだ。

 世界選手権の選考基準として設けたのは、全日本種目別での優勝のみならず、協会が設定した「派遣標準得点」をクリアすること。それは世界選手権などで金メダルに相当するレベルの設定だった。

 この高いハードルを乗り越えたのが、ゆかの白井健三、あん馬の亀山耕平の2名だった。さらに標準得点を越えられなかったものの鉄棒で優勝した田中佑典を選出。白井はゆかとともに跳馬も得意とするし、田中は平行棒にも強みがある。

 各種目に強い選手をバランスよく並べた布陣で臨む世界選手権で、中国とどのような勝負を展開するか。2年後のリオデジャネイロ五輪への試金石でもある。

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