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<日本代表が学ぶべきスタイル> 関塚隆 「メキシコのように、戦い方に変化をつけよ」 

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posted2014/08/15 11:10

<日本代表が学ぶべきスタイル> 関塚隆 「メキシコのように、戦い方に変化をつけよ」<Number Web> photograph by Getty Images

ロンドン五輪に出場した10人が今大会のメンバーに。

 テストマッチにまだエースのドスサントスは途中出場だったが、すでにペラルタ、ファビアンという2人の強力なFWがいた。本大会ではさらに枚数が増え、4トップ気味で中央から攻めてくるかと思うとサイドに起点を作り、ドリブル突破を仕掛けたり、裏を窺う気配を見せたり。ボランチ2人の守備力を武器に前からプレスをかけてボールを奪い、一気にゴールを狙うスタイルで決勝でブラジルに快勝、金メダルを獲得した。

 ロンドン五輪のメンバーのうち、ドスサントスはじめ、オーバーエイジを含めた10人がブラジル大会のメンバーに名を連ねている。鋭い動きだしやボールの動かし方、しっかりとビルドアップした後の仕掛けなど、ロンドン五輪で見せた勝負のスタイルは今の代表にも共通している。メキシコの国としての積み上げが現れていると感心して見ていた。

相手によって試合のポイントを決め、変化をつけていた。

 グループリーグ第1戦を除いてメキシコはポゼッションでは相手を下回っているが、決勝トーナメント1回戦でもオランダ相手に堂々と戦いベスト16。もちろん90分間自分たちでボールを支配して相手を動かせればベストだが、相手によって試合のポイントを決め、変化をつけることでメキシコはしっかり結果を出した。日本もこうした柔軟な戦い方ができると、また一歩先に進むことができるのではないだろうか。

 メキシコはW杯15回出場、6大会連続ベスト16。日本との差のひとつは、この経験値にあるだろう。日本も昨年のU-17W杯でベスト16、ブラジルで大久保や山口のJリーグ組が健闘したように、進んでいる道は間違っていない。この先もJリーグはもちろん、ジュニアまで含めた国内のレベルを維持していくことが不可欠だ。これからは千葉の監督として、国際舞台で輝ける選手を育てていきたい。

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