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ウッズ時代の終焉は直接対決で。
マキロイが全米プロで狙う「玉座」。 

text by

舩越園子

舩越園子Sonoko Funakoshi

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photograph byJun Hiraoka

posted2014/08/07 11:40

ウッズ時代の終焉は直接対決で。マキロイが全米プロで狙う「玉座」。<Number Web> photograph by Jun Hiraoka

タイガー・ウッズは3月末に腰の手術を受け、6月に復帰したが、先週も試合中に腰痛が発症して途中棄権。状態は戻っているのか、そしてマキロイとの勝負は。

「勝てるのか?」の問いに即座に答えた「イエス」。

「痛みはない」「明日はティオフする」と出場を明言。9ホールを回っただけで掴んだコース攻略の展望も、王者らしく、すらすらと説明し始めた。

「僕が知っている2000年のバルハラとは違うコースになっていると思ったほうがいい。グリーン回りにチッピングエリアが新設されている。求められるクラブ選択、ショットバリエーションも変化しているから、今日はいろいろなことを試している」

 バック9はプレーはせず、「これから歩いてチェックする」。傷を負っても勝利への渇望と気概は誰よりも高い。「今週、勝てるのか?」と問われれば、迷うことなく即座に「イエス」の一言。

 だから、やっぱりみんながウッズに期待する。そこまで人々に期待を抱かせ、希望を膨らませ、注目を集めることができるのは、やっぱりウッズだけだ。

 少なくとも、今は――。

マキロイはまだ、ウッズの背中を追いかけている。

 ウッズが登場するまでの間、バルハラですべての注目を一身に集めていたのはマキロイだった。すでに欧米メディアの一部は「マキロイ時代の到来」「新時代の幕開け」と書き立てている。

 だが、瞬時にしてマキロイからウッズへと、あらゆる大群がシフトしていった様子を目の当たりにしたら、マキロイ時代が到来したとは言い難い。

 マキロイ自身は、ウッズが現われてからのこの日の現象を目にする以前から、こう言っていた。

「(メディアは)みんな結論に飛びつくのが早すぎる。そりゃあ僕は、自分に時代の担い手になれるだけの能力が備わっていると信じてはいるけれど、すでに僕の時代が到来したとか、新時代の幕開けだとか、そんなふうには思っていない」

 メジャー14勝を挙げ、グランドスラムも達成しているウッズに対し、マキロイはメジャー3勝を挙げ、グランドスラム達成に王手をかけたばかりだ。ウッズに追い付くまでの道程がまだまだ長いことをしっかり認識しており、だからこそ、コツコツと淡々と努力を続けている。

「ここ数年、トレーニングの量を増やし、肉体づくりに取り組んできた。筋肉をつけ、ここ8週間で3kgも増やした。今が一番体重が重い」

 磨いてきた技、鍛え抜いた体が、マキロイの土台となりつつある。揺るぎない土台ができたからこそ、それが自信となり、安堵感にもつながっている。

「みんな僕のスイングや飛距離のことばかりを取り沙汰しているけど、今、僕が一番いいと感じているのはメンタル面だ。心がハッピーだからこそ、いいゴルフができると思える」

【次ページ】 メジャー優勝を、ウッズの目の前で奪うために。

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