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リスクを敢えて犯したハミルトン。
ドイツGP予選トラブルの背景とは。 

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尾張正博

尾張正博Masahiro Owari

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photograph byGetty Images

posted2014/07/27 10:30

リスクを敢えて犯したハミルトン。ドイツGP予選トラブルの背景とは。<Number Web> photograph by Getty Images

ドイツGP予選Q1でブレーキの故障によりタイヤバリアに衝突したハミルトン。衝撃は30Gにも及んだという。

 4点差で迎えた第10戦ドイツGPは、金曜日の最初のフリー走行からドライバーズ選手権で首位を走るニコ・ロズベルグとランク2位のルイス・ハミルトンの2人のメルセデスAMGドライバーによって、熱き戦いが繰り広げられた。

 1回目のフリー走行でロズベルグがトップタイムを出せば、2回目のフリー走行ではハミルトンがその座を奪い返す。しかも、2人のタイム差はいずれも100分の1秒台というわずかなものだった。

 その戦いに異変が見られたのは、土曜日。予選前に行われた3回目のフリー走行で、ハミルトンはロズベルグに対して、コンマ6秒も遅れてしまうのである。原因はブレーキだった。

チームメートと異なるブレーキで、クラッシュ。

 この日、ハミルトンはフロントブレーキディスクの素材を変更していた。金曜日に使用していたのはロズベルグと同じカーボン・インダストリー社製のものだったが、「ブレーキを踏んだ瞬間のフィーリングが合わなかった」(ハミルトン)という理由で、ブレンボ社が供給するブレーキディスクを土曜日と日曜日に採用することにしたのである。つまり、メルセデスAMGの2人のドライバーは、土曜日から異なるメーカーのブレーキディスクを使っていたのである。

 ただし、そのこと自体は決して珍しいことではない。ハミルトンはマクラーレンに在籍していた時代にもたびたびチームメートと異なるスペックのブレーキティスクを使用していたからだ。ところが、この選択がその後思わぬトラブルへと発展する。

 予選Q1をソフトタイヤで連続アタックをしていたハミルトンは、セクター1とセクター2を自己ベストで通過していた6周目のインフィールドセクションで、ブレーキトラブルに見舞われてタイヤバリアにクラッシュしてしまうのだ。

【次ページ】 ブレンボ社供給のシステムで事故が多発。

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