KEIBA VISIONBACK NUMBER

日本一の牧場が送り出す名牝の仔達~エンゼルカロの12・メジロドーベルの12~ 

text by

PROFILE

photograph by

posted2014/07/24 12:00

日本一の牧場が送り出す名牝の仔達~エンゼルカロの12・メジロドーベルの12~<Number Web>

 7月19日に函館競馬場で、JRA最初の2歳重賞「函館2歳S」が行われました。6月に新馬戦がスタートし、1カ月半で迎えた2歳重賞は、アクティブミノルが1週前に勝ったばかりの連闘での挑戦で、見事な逃げ切りを収めました。

 このレースには、ホッカイドウ競馬から3頭が挑戦しましたが、いずれも2桁着順に敗れました。しかし、その中の1頭・タケルオウジは、スタートして先行集団に取り付き、初めての芝にも対応でき、
「2度目の芝なら変わってきそう。忙しい距離より、もう少し長い距離なら一発あってもおかしくない」
と、騎乗した井上俊彦騎手が話していました。

 このタケルオウジの祖母はエンゼルカロ。ホッカイドウ競馬の所属で、99年の函館3歳S(当時のレース名)を制した馬です。全国で最初に行われるホッカイドウ競馬の2歳重賞「栄冠賞」を制して、函館競馬場で行われる「ラベンダー賞」の優先出走権を獲得し、そのラベンダー賞で難なく勝ち上がり、勢いそのままに函館チャンピオンに輝きました。

 そのエンゼルカロを母に持つアンジュデトワールという馬が、同じく7月19日の福島競馬場でデビューを果たしました。ファストフレンド同様、エンゼルカロには思い入れもあり、アンジュデトワールにも出資をしました。特に、ホッカイドウ競馬の解説者をしている身なので、ファストフレンド以上にエンゼルカロに対する思いは強くあり、いよいよ迎えたデビューに心も躍りました。

 スタートダッシュは今ひとつで、前半は後方からのレースを強いられましたが、直線ではグイグイ加速し、差のない4着まで追い込んできました。

 2歳馬に出資した馬たちの中で、最初のデビューとなったアンジュデトワールは、ノーザンファーム天栄ツアーに登場したほど、仕上がりの早い組の1頭でした。牧場での動きも目立つ1頭で、その評判通りの走りを見せたことに、今後の活躍が期待されます。

 そして、名牝と言えば忘れてはいけない馬がもう1頭います。97年のオークス、秋華賞で牝馬二冠を達成し、エリザベス女王杯は98年、99年と連覇を果たすなど一時代を築いたメジロドーベルの仔が、シルクホースクラブで募集されていました。

 メジロドーベルは、私が関西にいた時の競走馬で、関西圏でのレースに出るたびに圧倒され、一生懸命走る姿にどんどん引き込まれていった馬でした。ドーベル好きは大学でも広まり、競馬仲間からメジロドーベルの写真を常に頂戴していたのも、もう20年近く前の話なんだなと歴史を感じます。

 昨年12月に開催されたシルクホースクラブパーティーで矢作芳人調教師と話した時、
「これだけの馬の仔を管理させて頂けるのは、本当に嬉しい限り。少し小さい馬ですが、1歳秋に大分成長が見られて楽しみが広がります」
と、素質の高さを含め、期待を寄せていました。

 シルクホースクラブのホームページで近況報告がありますが、7月11日の段階で432キロとコンパクトな馬体。それでも、1歳時から逞しくなり、まだ変わりそうな雰囲気もあります。この続きは次回に。

-------------------
プロフィール
古谷剛彦(ふるやたけひこ)
昭和50年東京都生まれ38歳。
関西大学卒業後、電子競馬新聞「JRDB」に入社。04年に退社し、道新スポーツや内外タイムスで競馬記者として活躍。
現在はフリーライターとして、スポーツ報知「こちら日高支局です」やうまレター「南関東競馬ニュース」など連載多数。
グリーンチャンネルに出演中。

関連キーワード
古谷剛彦

ページトップ