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メルセデス独壇場のなか、歴代王者を喰う新鋭たち。
~リカルド、ボッタスらが急成長~ 

text by

今宮純

今宮純Jun Imamiya

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photograph byGetty Images

posted2014/07/20 10:30

英国GPで自己最高2位のボッタス(左端)と4度目の表彰台に輝いたリカルド(右端)。

英国GPで自己最高2位のボッタス(左端)と4度目の表彰台に輝いたリカルド(右端)。

 タイトル争いは、N・ロズベルグとL・ハミルトンに完全に絞られたが、ヨーロッパラウンドに入って、新たなドライバー対決構図が見えてきた。

 第9戦イギリスGPは、ドライバーズトップのロズベルグが初のリタイアに終わり、ハミルトンが今季5勝目となる母国勝利を。大きく開いていた2人のポイント差はわずか4点、とゲーム差ゼロの様相を呈してきた。一方で、チャンピオン経験者を相手に見ごたえあるレースを演じているのが新鋭たちだ。

 その筆頭が、メルセデス勢に次ぐ現在ランク3位のD・リカルドである。レッドブル加入7戦目のカナダGPで史上105人目のウイナーに輝いた。予選タイムアタックで能力を発揮し、決勝のレースペースでも速さをキープできる。イギリスGPでは、エンジニアを驚かせる1回ストップ作戦を自ら判断して3位を得た。タイヤマネジメントがうまく、'14年型RB10のセッティングをまとめあげている。4冠王者でチームメイトのS・ベッテルが苦悩しているのとは対照的だ。

ヒュルケンベルグのオーバーテイクは“大先輩”譲り。

 また、リカルドと同じく'89年生まれのV・ボッタスも成長著しい。ウイリアムズ2年目でブレイクし、オーストリアGPで初の表彰台となる3位に輝くと、イギリスGPは2位を奪取。ランクは5位まで上昇した。昨季はマシンの戦力不足で8位がベストだったが、今季はモナコGPのリタイア以外、すべてのレースで入賞を果たしている。際立つのはオーバーテイク能力だ。パッシングラインを自由自在に変えて、相手の隙を突くテクニックは、フィンランドの先輩王者M・ハッキネンにも似る。ボッタスが106人目のウイナーになる可能性は高い。

 もう一人の注目は、F・アロンソとともに今季全戦入賞しているN・ヒュルケンベルグだ。中間チームのフォースインディアでランク7位をキープ。コンスタントなレースマネジメントが光る。特にシーズン前半戦ではレース巧者のアロンソを相手にひけをとらない攻防を再三見せてきた。キャリア4年目でまだ表彰台はないが、チームのランク5位に貢献。完成度が高いエースに成長した。

 リカルドとボッタスとヒュルケンベルグ。彼らがアロンソやベッテルに挑んでいくシーンに2014年の新たな「ドライバーズ・レース」を感じる――。

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