全試合投球準備をするリリーフは、微調整が難しい。

　その一方で、常に多少の不安を抱えながら投球を続けているのも事実だ。6月下旬に話を聞かせてもらった時も、こんな本音を吐露してくれた。

「今はコントロールが良くない。真っ直ぐも良くないし、スプリットも全然落ちない。悩んでいる部分は多少あります」

　全試合投球準備をしているリリーフ投手は、先発投手のように定期的にブルペンに入って微調整を行なえるわけではない。日々の練習の中で試行錯誤を重ねながら投球を維持していかねばならない。

　むしろ、そうした不安を抱えながら、きちんと成績を残し続けていること自体が賞賛に値するものだ。

いまだ胸の内に燃え続ける上原の反骨精神。

　昨年この場で何度か上原を取り上げた際にも論じたが、彼の投球の大きな原動力になっているのが反骨精神だ。

　昨年はシーズン途中からクローザーを務め、あらゆる重要な場面で勝利を決める試合を締めくくり、まさに上原にとって集大成ともいえる1年だった。それでも上原の反骨精神はむしろ燃えさかっている。

「僕らの評価は汚い話になってくるが、（年俸という）金額に繋がってくる。それが(自分の)金額に繋がってくるかといえば、まったく繋がっていない。

　結局、歳だといわれたりして……。ならば歳だから打たれたという言い訳ができるかと言えば、できない訳じゃないですか。契約の時だけ歳だといわれて（金額が）抑えられるのがなんか矛盾している。僕の中では腹立たしい。グラウンドに立てば歳だろうが若かろうが、どっちが結果を残しているかという話なので」

　上原は常日頃から「野球は年齢でやるもんじゃない。グラウンドでの結果がすべて」という言葉を繰り返してきた。

　そうした意味では彼の言う通り、39歳という年齢から彼の投球が正当に評価されているとは考えにくい。

　ジョナサン・パペルボン投手やラファエル・ソリアーノ投手のように複数年契約で年俸1000万ドル以上を獲得していることを考えれば、今シーズンの上原の500万ドルという年俸が適正金額なのか疑わしい。

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