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カタール王室が送り込む、注目の超良血当歳馬。
~活況セレクトセールに希少な1頭~ 

text by

片山良三

片山良三Ryozo Katayama

PROFILE

photograph byRyozo Katayama

posted2014/07/12 10:30

母グッドウッドマーチは英国産の11歳。半兄ゴールドファンは2013年香港マイル(GI)2着。

母グッドウッドマーチは英国産の11歳。半兄ゴールドファンは2013年香港マイル(GI)2着。

 世界でも有数の競走馬市場として知られる、セレクトセール(一般社団法人日本競走馬協会主催)が、7月14、15日の2日間、北海道苫小牧市のノーザンホースパーク特設会場で開催される。

 '98年に創設された同セールは、何度か訪れた不況の波にも負けずに成長を続け、昨年は総額117億6470万円(税抜)の売り上げレコードを記録。落札率でも当歳が75.5%、1歳は87.9%という高い数字をマークした。上場馬に四肢のレントゲン写真や喉の検査結果、病歴等の情報公開を義務付けたことで透明性の充実を図り、海外バイヤーの開拓や招致にも積極的に取り組んできたのが実を結んだということだろう。

 欧米では当歳馬の市場取り引きはごく小規模で、リスクが高い分だけ金額も安いのが当たり前。そういう世界的な常識に近づけようと、セレクトセールも1歳馬中心のそれに移行しようとした時期も確かにあった。しかし、日本人が早い者勝ちで良血馬を手に入れたがる傾向は変わらない。今年も初日に1歳馬が260頭、2日目に当歳馬が231頭と、目移りするばかりの超良血馬が集結した。

世界に130頭だけのフランケル産駒が北海道にいた!

 ニッポンの文化とも言える当歳市場の繁栄ぶりに、海外から、買い手ではなく売り手として目を向けた勢力がいる。凱旋門賞のスポンサーとしても有名な、カタール王室が運営するカタール競馬馬事クラブの関係者だ。昨年のセールには皇太子殿下が買い手として直々に来日していたが、その視察の成果としてぶつけてきたのが、当歳馬の上場というわけだ。

 2日目の中盤、376番で登場する栗毛の牝馬がそれ。父は14戦14勝のパーフェクトな戦歴を残し、史上最高のレイティングでその強さを評価されたフランケル('08年英国生まれ、父ガリレオ)。その種付け料は初年度から12万5000ポンド+付加価値税20%(日本円で約2595万円)という、世界で3番目の高額に設定されたが、それでも殺到する花嫁候補を自身の成績と産駒成績を査定の基準として130頭に絞り込んだという、貴重かつ希少な1頭なのだ。

 本馬も、兄に重賞馬が2頭いる名牝系の出身。北海道・浦河でこれほどの馬が生まれていたとは驚くばかりだが、晴れ舞台でどれほどの評価をされるのか、世界中が固唾を飲んで見守っている。

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