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格上のイタリアに勝って10連勝中!
ラグビー日本に感じた「熱気」の予兆。 

text by

阿部珠樹

阿部珠樹Tamaki Abe

PROFILE

photograph byYuka Shiga

posted2014/07/04 10:30

格上のイタリアに勝って10連勝中!ラグビー日本に感じた「熱気」の予兆。<Number Web> photograph by Yuka Shiga

キャプテンとして、またフォワードリーダーとして、ジャパンを鼓舞し続けたリーチ・マイケル。スクラムの安定感は抜群だった。

 冴えなかったサッカーの代表と対照的なのがラグビーの日本代表チームだ。5月に世界ランキング上位のサモアを破ると、北米遠征ではカナダ、アメリカに連勝し、帰国して6月21日の秩父宮での試合ではイタリア代表に勝った。これでテストマッチ10連勝だ。

 サモアなどは、少し相手のメンバーが落ちるので、勝って当然という声もあったが、イタリア戦の勝利は価値が高い。イタリアはなんといってもヨーロッパ6カ国対抗の出場チームで、世界ランキングこそ日本より少し下だが、実力は上というのが大方の評価だった。体も大きい。FWの平均体重では5kg近くも重い。その相手に一歩も引かず、接戦を勝ち切った。

小細工ではなく、オーソドックスに勝つ。

 日本が、体格で勝る実力上位のチームに勝つとなれば、秘策めいた特徴的な試合運びがあったのではと想像される。

 だが、この日の試合は全く違っていた。とにかくオーソドックスなのだ。正面からぶつかり、スクラムでも小細工はせずにしっかり押して下がらない。この日のジャパンは日本独自の、自分流の試合運びではなく、世界の主流のオーソドックスなスタイルを選び、そのスタイルで勝ち切った。そこに価値があったのではないか。

 特に感心したのは、大きく重い相手と押しあって、消耗が進んでいるはずの後半になってもスクラムで負けなかったことだ。後半の16分には相手陣内で反則をもらったが、日本は迷わずスクラムを選択した。12分にPGを決められ、3点差に追い上げられていた時間だったので、ちょっと驚きだった。イタリアもびっくりしたように声をあげていた。だが、このスクラムを押しこんで、ラックから展開し、最後は、マレ・サウがトライを奪った。試合を決定づける大きな1本だった。終了間際も相手の反則からスクラムを選び、ボールをキープして最後のホーンを聞いた。こんなに強いスクラムのジャパンははじめて見た。

【次ページ】 リピーターの観客ばかりの楽しさと寂しさ。

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